猫の精神的な病『分離不安症』の原因4つ 飼い主ができる予防法とは?

猫の精神的な病『分離不安症』の原因4つ 飼い主ができる予防法とは?

猫の分離不安症を知っていますか?飼い主と離れることができず、ひとりになると強い不安やストレスを感じ、自傷行為や問題行動を起こしてしまう病気です。猫はなぜ分離不安症になってしまうのでしょうか?予防するにはどうしたらいいでしょうか?

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

1.親猫から早く離された

座っている子猫

猫の生後2~9週間くらいまでの時期は社会化期と呼ばれ、母猫やきょうだい猫との触れ合いや新しい体験を通して多くのことを学びます。しかし、この時期に他の猫と触れ合う機会がないと、ひとりでいることができない寂しがりやになることがあると言われています。

猫はもともと単独生活をする動物ですので、子猫は3ヵ月くらいになるまでには母猫による世話をあまり必要としなくなり、生後半年頃には母猫は子猫を遠ざけるようになります。こうして親離れし、自立するのです。

しかし、親きょうだいから早く離れ人の手によって育てられた場合、人から離れて過ごす経験をしないまま成長し、常に人と一緒にいないと不安になってしまう猫になることがあります。飼い主にとってこれは、「自分を母猫のように慕い、甘えん坊の猫だ」と感じることになります。

そんな猫がかわいくて、飼い主の方も構いすぎてしまう、猫がひとりで過ごす時間のない生活をさせる、ということがあります。その結果、猫が分離不安症になってしまうことがあるのです。

2.単頭飼育で完全室内飼い

ソファの上の猫

家の中で飼い主と猫が1対1で常に過ごしていると、お互いに依存度が高くなります。特にひとり暮らしの場合は要注意。猫とのスキンシップは大切ですが、常に猫を構っていると、猫にとってもそれが当たり前となり、飼い主の不在がストレスとなる分離不安症を発症することがあるのです。

飼い主が家にいても猫がひとりで過ごす時間も作ってあげるとともに、少しずつ留守番にも慣れさせましょう。

3.留守番中の恐怖体験

籠のそばで身を縮める猫

急に留守番を嫌がるようになった場合、雷や地震が起きたり、工事の大きな音がしたなど、飼い主の留守中に怖いことがあったのかもしれません。その怖いことが、飼い主が不在であったことと結びつくようなタイミングで起こった場合、飼い主が留守になると(また怖い思いをするかもしれない…)と不安になってしまうのです。

この場合、分離不安症というよりも条件付けが行われてしまった結果なので、それを消去すればまた問題なく留守番ができるようになるでしょう。猫に安心して留守番してもらうために、外からの大きな音が聞こえないようにしたり、家の中でも物が落ちて猫がびっくりしたりしないように環境を整えておきましょう。普段から、お気に入りの薄暗く狭い場所や、高い場所を用意して、猫が安全と感じてリラックスして過ごすことができる環境を整えましょう。

4.生活環境や生活リズムの変化

窓辺の段ボールと黒猫

猫は環境の変化に弱い動物です。室内の家具の配置を変えただけでもストレスを感じることがあります。引っ越しで、住居そのものが変わる場合はなおさらです。

転居する際は、猫が少しでも安心できるように猫の匂いのついたものをそのまま持っていって使わせてあげましょう。家具の配置もこれまでと同じようにするといいでしょう。

また、マイペースに見える猫ですが、実は生活リズムが崩れると、ストレスを抱えることが多くあります。飼い主の都合で留守の時間が急に長くなると、慣れていない長時間の留守番に不安を覚えたり、生活パターンが変わったこと自体に困惑してしまうのです。これらのことが、分離不安症を引き起こす原因となることがあります。

まとめ

飼い主に抱っこする猫

猫へ愛情を持って接することは大事ですが、いつも猫を甘やかし、猫の言いなりになっていると、逆に猫を苦しめてしまうことになりかねません。

本来、単独で生活する習性のある猫ですが、育った環境や性格によって程度の差はあれ、家庭で飼われる猫は飼い主に依存するようになります。猫がひとりで過ごす時間も意識して作り、精神的に飼い主に依存し過ぎない猫にしてあげましょう。そうすれば、留守にしなければいけない時でも猫に大きなストレスを与えないで済みます。

飼い主への後追いがひどい、飼い主の姿が見えなくなると鳴き続けるなどは、分離不安症の症状である可能性があります。気になることがあれば、動物病院を受診しましょう。

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