「エンジェルマーク」とは?
エンジェルマークという言葉をはじめて耳にする人は、もしかしたら「ハート型(♡)」や「丸型(○)」の模様を想像するかもしれませんね。
しかし、エンジェルマークとは、限られた「黒猫」にのみ存在するもの。全身をおおう黒い毛の中に白い毛のワンポイントがあるのが、それです。多くの場合、胸元やおなかに見られますが、顔やおしりにあっても、エンジェルマークと呼ばれます。なお白毛の場所や大きさには、これといった基準はありません。
由来は悲しい黒猫の運命にさかのぼる…
黒猫は古くから、悪魔の化身や不吉な動物など、負のイメージが定着していました。特にキリスト教圏での扱いは悪く、不運や厄災をもちこむ存在。そして中世ヨーロッパで起きた「魔女狩り」では、黒猫もターゲットとなってしまったのです。
無実の女性のみならず、黒猫までも迫害を受ける中、白毛部分をもつ黒猫だけは、魔女狩りの難を逃れることができました。なぜなら、黒猫の白い部分は「天使がふれた跡」や「幸福を呼ぶ猫の印」とされていたからです。
いにしえの信仰を払拭するほど、エンジェルマークをもつ黒猫は尊い存在であったことがうかがえます。
なぜ黒い毛の中に白い毛が?
全身の毛が黒色だったとしても、その猫のもつ遺伝子は「黒」だけとは限りません。
黒猫でありながらも、白系の遺伝子を保有していることもあるので、黒い体に白い部分のある猫が生まれたり、成長過程で白い毛が生えたりしてくることも。
このほかにも、黒猫の毛の色が変わる理由は様々。日光による日焼けでも色は変わりますし、動物性タンパク質が不足すれば黒猫の毛は赤茶色になります。また、シニア世代になれば白髪も生えてくることもありますよ。
まとめ
「黒猫が目の前を横切ると不吉なことが起こる」というジンクスは残っていますが、近年、黒猫のイメージは、どちらかというと幸運の使者。「黒猫が横切る=不幸を招く」という迷信も「幸運が舞い込んでくる」という考え方にシフトされているようです。
確かに海外では黒猫は不幸の印のように語られていましたが、日本の平安時代に黒猫は福猫として大切に思われていた動物。現在、黒猫が魔除けになるとの考えや、恋愛運や金運がアップすると語る人もたくさん増えているのは、そういった福猫の名残なのかもしれません。
ただでも幸運であるとされている黒猫ですが、さらにエンジェルマークがあるとなれば、より注目度大!今後はエンジェルマークのある黒猫に出会ったら、つい目で追ってしまいそうですね。