1.白目に見えて白目ではない
猫が寝ているときにまぶたが開いて白目になっていることがあります。このときに見える白目は、実は白目ではなく「瞬膜」という膜のようなものなのです。
瞬膜は「第三眼瞼」と呼ばれることもあります。白っぽい色をしていて、猫の目頭から目尻の方向へ閉じる膜のようなものです。猫が目を開けると瞬膜が開き、目を閉じると瞬膜も閉じます。健康な状態では目頭にわずかに見えたり、リラックスして寝ているときや眠いときなどに瞬膜が見えたりします。
猫の本当の白目は人間の目と同じように黒目の周りにありますが、正面からは見えません。目の動きを敵に察知されないようにするためなどの理由があるといわれています。
2.目を守る
まつげは目にゴミが入るのを防ぐ役割がありますが、猫には人間のようなまつげはありません。猫の目に入ってしまった異物は、白目のように見える瞬膜がワイパーのように動いて取り除いているのです。
ちなみに、猫にまつげはありませんが、まぶたの上の毛が少し長くなっていて、これが目にゴミが入らないようにしています。
瞬膜は目を感染症からも守っています。瞬膜の表面からは抗体などが分泌されていて、涙と一緒に目の表面に行き渡り感染症を防いでいるのです。
3.目の潤いを守る
猫は人間と比べるとまばたきが少ないです。まばたきが少なくても目が乾かないのは瞬膜があるためです。
瞬膜には涙を作る機能があり、瞬膜腺から涙を分泌しています。瞬膜で作られる涙は全体の30~50%です。人間よりも多く涙を作ることができるので目が乾きにくいのです。
4.白目(瞬膜)が出たまま、赤くなっているときは異常
健康な猫の場合、目が開いているときに目頭にわずかに瞬膜が見えたり、寝ているときに白目のように瞬膜が見えることがあります。しかし、瞬膜が戻らない状態や赤くなっているのは異常です。
猫が目に痛みを感じている、瞬膜が腫れて収まらない、瞬膜の中にある軟骨に異常がある、腫瘍や膿なで瞬膜が押されているなどが原因として挙げられます。
普段ほとんど見えない瞬膜がずっと見えているときは動物病院を受診しましょう。
まとめ
猫の白目のように見えるものは「瞬膜」というもので、いくつか秘密があることが分かりました。
瞬膜は猫の目に入った異物を取り除いたり、感染症から目を守ったりしています。また、瞬膜が涙を作ることで、猫は少ないまばたきでも目が乾くことを防いでいられます。
寝ているときに瞬膜が見られる場合がありますが、瞬膜がずっと出ていたり、赤くなっているときは動物病院を受診しましょう。