1.指が退化したから
猫の前足と後ろ足の爪の数が違うということをご存知の飼い主さんはそこまで多くないようです。つまり猫の指の数は前足と後ろ足で違うということです。
前足には爪が5本ずつで計10本あるのに対して後ろ足の爪は4本ずつの計8本となっています。
よく考えると後ろ脚の爪が前足と比べて2本足りませんが、これは木に登る時に必要な前足の親指にあたる場所の爪が後ろ足にはあまり必要なかったという理由で退化したためとも考えられています。
そのため、前足と後ろ足の爪の数が違っているのはおかしなことではなく、猫にとってはそれが正しい状態であると言えるでしょう。
2.指の数が多い猫もいる
ただし指の数が多い猫というのも一定数存在しています。こういった猫が生まれる原因は不明のようですが、どうやら近親交配が一因とされているという説もあるのだとか。
多指症の猫の多くは前足の指が多いようですが、後ろ足の指が多い猫や全部の足の指が多い猫もいるそうです。またメインクーンの祖先は6本指であったのだそうです。
猫の多指症については健康に影響ありませんので、猫自身が問題なく生活を送れているのであれば飼い主さんも特に気にする必要はないでしょう。
因みに多指症の猫はカナダの東部やアメリカの北東部でたまに見られる程度のため、日本でそのような猫を目にする機会はないかもしれません。
3.前足にだけ「狼爪」がある
猫の前足は『物を握ることができる』のをご存知でしょうか。
実はこの「握る」という仕草は霊長類が得意とする仕草のため、それ以外の生き物には上手くできないのだそうです。そう考えると猫の前足はとても器用ですよね。
そして猫にとって木に登ったりする時にもこの「握り」の仕草でしっかりと木の幹に爪を食いこませて自重を支えています。その時に重要な役割を担うのが、人間の親指にあたる場所にある「狼爪」です。
まとめ
猫の前足と後ろ足で爪の数が違うのは、後ろ足の指が退化してしまったという可能性も考えられているようです。
猫の爪切りをしている時などにふと爪の数を数えて「後ろ足の爪が足りない!?」と驚いてしまう飼い主さんもたまにいらっしゃるそうですが、まったく健康には異常はないのでご心配なく。
だからといって愛猫の指が多かったとしても健康にも生活にも影響はありませんので、もしそのような猫を見かけたとしても「その子の個性」だと受け取ってあげるのが一番ですね。