猫は虫歯にならない?
猫が虫歯になりにくいのは本当です。人間の場合、虫歯は細菌が作り出した酸によって起こります。しかし、虫歯の原因となる細菌は口腔内が酸性でないと生きていけません。人間の口腔内が弱酸性なのに対して猫はアルカリ性寄りなので、細菌が生息しにくいのだそうです。
また、歯の形状も、猫の場合は肉を噛みちぎるのに適した鋭く尖った形をしているため、歯には汚れがたまりにくいとも言われています。
確かに、猫は虫歯にはなりにくいようです。しかし、口の中のトラブルがないわけではないのです。
1.歯周病
鋭く尖っている猫の歯は、食べかすが付着しにくくなっています。そのため、虫歯にはなりにくいと言われていますが、歯と歯肉の間の歯周ポケットには汚れがたまります。
さらに、現代の猫は加工されたキャットフードを食べているため、汚れがたまりやすいのです。この歯周ポケットの汚れが歯石になってしまうのですが、猫の場合、汚れが歯石になるまでの期間が短いと言われています。
歯石がたまり歯肉やその周りに炎症が起こるトラブルが歯周病です。歯周病になると、歯茎が腫れたり出血することがあります。口臭も強くなります。
2.口内炎
歯周病が起こることによって、口内炎になることもあります。歯周病が併発している口内炎は、口臭がきつくなります。口の中に痛みがあるため、飲み込むことが苦痛になりよだれが増えたり、思うように餌を食べられなくなります。
猫が口内炎になると、人間の場合と違い、なかなか治りません。口内炎が疑われる時は早めに動物病院を受診しましょう。
3.破歯細胞性吸収病巣(はしさいぼうせいきゅうしゅうびょうそう)
歯に穴があいていて、虫歯かな?と思ったらこの病気かもしれません。歯を溶かす細胞「破歯細胞」が歯を壊してしまうため、穴があいたりへこんだり、一見虫歯のような症状が表れるのです。進行すると痛みが出てきます。歯が折れてしまうこともあります。
破歯細胞はもともと乳歯が生え変わりやすいように乳歯を壊す働きをしています。しかし、永久歯にまで影響を与えてしまうのが破歯細胞性吸収病巣です。
原因は解明されていませんが、歯周病や口内炎を併発しないよう口内を清潔にしておくことが重要です。
まとめ
口の中のトラブルを防ぐために有効なのは、歯磨きです。でも、なかなか歯磨きをさせてくれないという猫は多いですね。
歯ブラシが苦手な猫には無理をせず、指サックタイプの歯ブラシや歯磨きシートなどを使ってみましょう。子猫なら、小さなうちから歯のケアに慣れさせておくといいでしょう。
どうしても口の中のケアを嫌がる場合は、歯磨き効果のあるおやつやおもちゃを使用する方法もあります。
口腔内トラブルは見つけにくいものです。日頃のケアをしながら猫の口の中をチェックしてみて下さい。異常が見られた時は、動物病院を受診しましょう。