瞳孔の開閉の仕組み
瞳孔は明るいところでは閉じて(黒目が細くなる)、暗いところでは開いて(黒目が丸く大きくなる)、目に取り込む光の量を調整しています。しかし明るさ以外にも、猫の感情が影響して瞳孔が開くということをご存じでしょうか?
猫は不安や恐怖を感じている時、獲物を見つけて興奮状態にある時などにも瞳孔が開くのです。暗いときと同様に、瞳孔を開く働きをする交感神経が活性化するからです。愛猫の瞳孔が開いている時は、そこから今の気持ちを察して余計なことはしないように気をつけましょう。瞳孔が開いている猫に行うのは避けたいNG行為をご紹介します。
猫の瞳孔が開いている時のNG行為
1.カメラのフラッシュ機能を使う
カメラのフラッシュはかなり強い光です。瞳孔が開いている時は光を多く取り込んでしまうので、特にまぶしいものになるでしょう。網膜の細胞を傷つけることはないまでも、まぶしすぎて一時的に目がよく見えなくなるかもしれません。
また、明るいのに瞳孔が開いているということは、何かしら興奮状態にあるということですので、フラッシュの光によって余計に興奮状態を高めてしまうかもしれません。
2.ご機嫌をとろうとして構う
恐怖を感じているせいで猫の瞳孔が開いている時は、落ち着いて安心するまでそっとしておくのが一番です。ご機嫌をとろうとして下手に構うと、かえって神経を逆なでして怒らせたり、いつまでも落ち着けなくなってしまうことがあります。猫が恐怖心から興奮状態にある時は、飼い主さんでも引っ掻かれたり噛みつかれたりするかもしれないので、接し方には十分に気をつけてくださいね。
3.驚かせたり怖がらせたりする
ただでさえ怯えている猫に対して、さらに怖がらせるようなことをするのは絶対にNGです。たとえ悪気がなくても、大きな物音を立てて驚かせてしまうといったことがないように注意してください。愛猫の気持ちが落ち着くまでは、飼い主さんも極力静かに過ごしてあげたいところです。
4.目を合わせてじっと見つめる
日中の明るい場所で愛猫の瞳孔が開いていると、不思議に感じて目に異常がないか確認したくなる飼い主さんもいるかもしれません。しかし猫にとって目を合わせるのは挑発行為なので、心配して目の様子を見ているだけでも「ケンカを売っている!」と受け取られてしまう可能性があるのです。興奮状態にある猫は平常心ではないので、信頼関係があって普段は目を見ても問題のない間柄でも、長時間じっと猫の目を見つめることは避けた方が良いでしょう。
病気が原因で瞳孔が開いたままになることはあるの?
明るさや気分に関係なく猫の瞳孔が開いたままになっている場合は、何らかの病気の可能性があります。考えられるのは緑内障・網膜変性症といった目の病気から、神経の病気、また腎不全や甲状腺機能亢進症まで様々です。原因によって、片方の目でだけ瞳孔が開いたままになっていることも、両方の目で瞳孔が開きっぱなしになっていることもあります。
放置して悪化するのを防ぐためにも、愛猫に目の異常がある時は早めに動物病院に連れて行って診察を受けましょう。
まとめ
猫の飼い主さんは愛猫の気持ちを察知して、適切な接し方をすることが求められます。瞳孔が開いていることから過度に興奮していたり恐怖を感じていると読み取れた場合は、愛猫の気持ちが落ち着くまで、余計なちょっかいをかけずに静かに待ちましょう。
病気が原因で瞳孔が開きっぱなしになっているという疑いがある場合は、すぐに動物病院で診察を受けてください。あらゆる病気は早期発見し、すぐに適切な治療を始めることが回復の可能性を高めるポイントです。
目の異常にすぐに気づけるように、毎日愛猫のお顔を見て状態をチェックしたいところですね。ただし、猫の性格や飼い主さんとの関係性によっては、飼い主さんであってもじーっと目を見つめるのは避けた方が良い場合もあります。また、愛猫のお顔がどれほど可愛くても、嫌がられる程じーっと見つめるのはNGですよ!