愛猫の供養の方法は生前から考える
人間の場合と同じく「供養」は亡くなった動物に対して冥福を祈る行いのことを言います。
ですので、「愛猫が生きているうちから供養のことを考えるなんて気が引ける」という飼い主さんもきっと多いでしょう。
中には「縁起が悪い」なんて考えてしまう人もいるかもしれませんね。
しかし、ペット終活アドバイザーやペットロスカウンセラーとして活動をしている私は「ペットの供養の方法は、生前にこそ考えておいてほしい」と強く思っています。
私たち飼い主は、たとえ愛猫との別れを覚悟をしていたとしても、いざその時が来ると冷静な判断が難しくなります。
それでも、愛猫の死後にも私たち飼い主にはたくさんの「選択の場面」が待ち受けているのです。
- エンゼルケアは自分で?どこかに頼む?
- 火葬はどこの業者に頼む?
- 遺骨は納骨する?手元供養?
愛猫の死後で頭が混乱している中での複数の選択は、心が疲弊するばかりではなく後になって「あの時ああすれば良かった」などの後悔の原因にもなり得ます。
そして、その後悔は「ペットロスの重症化」につながってしまうケースだって大いにあるのです。
そうしたことを防ぐためにも、大切な家族である愛猫の供養の方法は生前から進めておくことをおすすめします。
愛猫の生前から考えておきたいポイント
では、具体的にはどのようなことを愛猫の生前から考えておくと良いのでしょうか。さまざまなものがありますが、特に考えておきたいポイントが3つあるので詳しくお話します。
ポイント1:エンゼルケア
まず考えておきたい一つ目のポイントは「エンゼルケア」についてです。
エンゼルケアとは、ペットが亡くなった後に鼻の穴や肛門に綿を詰めるなどの死後処置を行い、グルーミングやシャンプーなどできれいな姿に遺体を整えることを言います。
きっと一緒に暮らしてきた家族であれば「できるだけ元気だった時に近い姿で虹の橋へ送り出してあげたい」と思う人も多いかと思います。
しかし、家族だけで行うものにはやはり限度があるのが事実です。
前もってエンゼルケアの仕方、もしくはエンゼルケアを扱っているサロンや動物病院を調べておくといざという時にも頼りになりますよ。
ポイント2:火葬業者のリサーチ
二つ目の愛猫の生前から考えておきたいポイントは「火葬はどこに依頼するのか」という点です。
先ほどもお話したように、大切な愛猫を亡くしてすぐは飼い主さまも混乱した状態で、冷静に物事を考えることは至難の業と言えるでしょう。
私がペットロスカウンセラーとして飼い主さんのお話をお聞きする中で多いのが「気が動転してしまっていて、満足に火葬業者を選ぶことができなかった」という声です。
悲しい心に優しく寄り添ってくれる業者がほとんどではありますが、中には「作業」として淡々と火葬を進めてしまうところだってあるのが現状です。
もちろん、業者の方々にも悪気があるわけではないでしょう。しかし、悲しみでいっぱいになっている家族にとって、愛猫の旅立ちの大切な過程を一つの作業として進められてしまうのは、さらに悲しみが増してしまい苦しいですよね。
愛猫の生前から少しずつ「安心して送り出せる業者」を探していきましょう。
実際にそこでペットの火葬を行った飼い主さんたちのレビューなども読んでおくと安心できます。
ポイント3:遺骨をどうするのか
火葬の後には「遺骨をどうするのか」という悩みも出てきます。「それは後から決めれば良い」と思う飼い主さんも多いでしょう。
しかし、私がお話をお聞きした飼い主さんの中には「火葬業者に提案されるまま、火葬してすぐに遺骨を共同墓地へ納骨してしまい今になって悔いている」という方もいらっしゃいました。
繰り返しになりますが、愛猫が旅立ってすぐは私たち飼い主は気が動転してしまって冷静に物事を考えるのはとても難しいのです。
その時はそれがベストだと思っていても、後になって「どうしてあの時あの方法を選んでしまったのか」と悔いてしまうケースも珍しいことではありません。
「四十九日までは手元に置く」「納骨はせずに自宅で保管する」など、大まかでも良いので、遺骨をどうするのかをあらかじめ家族でよく話し合って決めておきましょう。
納骨を希望しているのであれば、お参りしやすい場所を検討しておくと納骨後も安心です。自宅で保管をする場合には、カビが生えてしまわないように遺骨用のカビ取り剤を使ったりパウダー加工してもらったり、対策を考えておいてくださいね。
「供養」は死後も愛猫のためにできる唯一のこと
ペットを亡くして「あの子に何もしてあげられなかった」と悔やむ飼い主さんはとても多いです。
しかし、お花や愛猫の好きだったおやつを供えたり、愛猫のメモリアルグッズを作ったり……。
どんな供養をするのにも「愛猫のことを考える時間」につながりますよね。
「供養は愛猫の死後であっても、その子のためにできる唯一のこと」と言っても過言ではないのです。
供養の方法には後から変更できることもあれば、一度行った後ではどうにもならないことだってあります。特に「遺骨をどうするか」というのは、人や家庭によって意見はさまざまです。
ここで後悔が残るとそれを払拭するのはとても難しく、最初にお話したようにペットロスの重症化にもつながります。
ぜひ愛猫の生前から、ご家族みんなで「この子のためにできる供養」を考えてみてください。供養の方法に正解不正解はありません。
「旅立つ愛猫と遺されるご家族にとっての最善の方法」を決めるようにしましょう。