猫の『突然死』の原因5つ 前兆や予防できることはあるの?

猫の『突然死』の原因5つ 前兆や予防できることはあるの?

猫の寿命は約15年だといわれています。猫の飼い主さんも愛猫とは15年くらいの間は、当たり前のように一緒にいられると思ってしまいがちです。ところが寿命を全うできずに突然亡くなってしまう猫もいるのが現実です。猫の突然死の原因として多いものを解説するので、愛猫に長生きしてもらえるようできる限りの予防をしましょう。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

猫の突然死の原因として多いもの

窓から脱走しそうな猫

1.心筋症

猫の突然死の原因に多いのが心臓の病気です。特に肥大型心筋症により血液を正常に体に送り出せなくなると、うっ血性心不全や肺水腫による呼吸不全、不整脈などを引き起こして死に至るリスクがあります。

心筋症は若い猫でも発症する病気なので、愛猫が若いうちも油断せずに心臓の健康状態に気を配りたいところです。心筋症の初期症状には気づきにくいですが、元気や食欲がなくなるという前兆を見逃さないようにしましょう。

2.脳梗塞

心臓病と同じく、命に関わる症状が出やすいのが脳の疾患です。脳梗塞は脳の血管が詰まって脳が正常に機能しなくなる病気で、突然死のリスクがあります。高齢の猫のほうが発症するリスクが高いので特に注意してください。愛猫に吐き気や歩き方がおかしいといった脳梗塞が疑われる症状が見られたら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

3.感染症

蚊を媒介にして猫に感染するフィラリア症や、酷い嘔吐や下痢といった症状を引き起こす猫パルボウイルス感染症など感染症が原因の突然死にも注意しましょう。猫のフィラリア症の初期症状は咳や呼吸が苦しそうになる、食欲不振などがありますが、発見が難しく感染に気づいた時には手遅れになっているケースが珍しくありません。また肺や心臓に大きなダメージを与えて突然死してしまう可能性もあります。

猫パルボウイルス感染症は元気がない、食欲不振などの初期症状がありますが、こちらもフィラリア症と同様に感染に気づかないうちに急激に悪化して亡くなってしまうリスクがある恐ろしい病気です。早い段階で感染に気づき治療するということが困難な感染症は、ワクチン接種や薬を飲むことでしっかり予防することが大切です。

4.猫に有毒な食べ物や植物による中毒

ネギ類やチョコレートなどの食べ物は猫にとっては有毒で、間違って食べてしまうと中毒症状を引き起こし死に至る危険性があります。また自宅に飾っていた観葉植物が猫の体に害がある種類で、誤食して中毒になってしまうケースも少なくありません。

ユリやチューリップなどは一口食べるだけで死亡するリスクがあるので、自宅に置く場合は猫が食べてしまわないように工夫が必要です。猫の飼い主さんは、猫に害のある食べ物や植物について知識を深めることも重要ですね。

5.交通事故

完全室内飼育をしていない場合や脱走対策が十分でない場合に発生するのが、交通事故による突然死です。飼い主さんは猫が外に出るリスクについてしっかり理解し、愛猫を自由に外に出さないことと脱走のチャンスを与えないことを徹底しましょう。

猫の突然死を予防する方法

ワクチン接種する猫

猫の突然死を予防するには、普段から健康を意識した生活を心がけることはもちろん、病気の早期発見のために定期的に動物病院で健康診断を受けたいところです。

また飼い主さんが愛猫の健康状態を日頃からチェックすることも重要です。心臓病や脳梗塞も、愛猫の些細な変化に気づき初期段階で病院に連れて行けば、悪化して死に至る前に治療できる可能性があります。

感染症はワクチン接種や薬での予防が効果的です。猫が中毒を引き起こす危険な食べ物や植物を飼い主さんが把握したうえで、愛猫が誤食しないように工夫することも大切ですね。交通事故を防ぐには猫を極力外に出さないのが1番です。大人しい猫でも不意に外に飛び出してしまうことはあるので、脱走対策は念入りに行ってくださいね。

まとめ

愛猫の死を悲しむ飼い主さん

猫は病気や中毒、交通事故などが原因で突然死する場合があります。愛猫にはできるだけ長生きしてほしいものですし、飼い主さんの心の準備ができないままに愛猫との別れがくることは避けたいですよね。

高齢の猫だと健康状態を気にかけている飼い主さんは多いですが、まだまだ元気でいてくれそうな若い猫でも突然死のリスクはゼロではないことを覚えておいてください。病気の予防や安全対策を徹底して、愛猫の命を守りましょう。

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