猫の『便秘』サイン5つ 飼い主にできる対処法とは

猫の『便秘』サイン5つ 飼い主にできる対処法とは

薬局に行くと多くの下剤が並んでおり、便秘に悩まれている方の多い事が分かります。猫も、よく便秘になる動物だと考えられています。祖先であるリビアヤマネコの習性を引き継ぎ、水分を積極的に摂らない傾向が強い上に、去勢・避妊後に肥満になる猫が多いことが影響しているようです。今回は、そんな猫の便秘のサインや飼い主さんにできる対処法をご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の便秘

排便したい猫

みなさんの愛猫は、どんなウンチをどのくらいの頻度でしていますか。個体差はありますが、「1日に1〜2回、成人の人差し指以上の長さで水分を十分に含んだ艶のあるウンチ」をしていれば、排便については健康な状態であると考えられています。

しかし愛猫のウンチの頻度が減ってきた、1回の量が少ない、ウンチの状態が変わったというような変化が見られた場合、愛猫は便秘になっているかもしれません。

猫の便秘の原因には、以下のような理由が考えられます。

  • ストレス
  • 食事の変化
  • 水分不足
  • グルーミングで飲み込んだ毛の腸への詰まり
  • 異物誤飲などの生活環境によるもの

また病気や怪我が原因の場合は以下のような理由が考えられます。

  • 腸の機能低下
  • 腸や肛門の病気
  • 骨や神経の損傷や変形
  • 薬の副作用
  • 肥満脱水

猫は、比較的便秘になりやすいと考えられています。積極的に水分を摂ろうとしない習性なので、体内の水分が不足しがちだからです。また最近は猫の肥満率が上がっていることも、便秘が多い理由の一つだと考えられます。

猫の便秘のサイン

排便に時間がかかる猫

猫の便秘には、手遅れになると重大な病気につながったり、裏に重篤な病気が隠れている場合も多いため、甘く見るべきではありません。特に、高齢の猫には注意が必要です。

愛猫が健康な時から排泄の様子や排泄物の状態をよく観察しておき、早期に便秘のサインに気付けるようにしておきましょう。

ではここからは、猫の便秘のサインについて解説していきます。

1.便の様子

便の様子が下記のような状態に変わった場合は、便秘のサインです。何回か続くようなら、早めに動物病院で診てもらいましょう。

  • 便が硬い
  • 量が少ない
  • ウンチの表面が乾燥してツヤがない
  • 小さくてコロコロしている
  • 排便するまでに時間がかかる
  • 便の表面に潜血が付いていることがある など

2.排便の頻度

ウンチをする頻度に下記のような変化が見られた場合も、便秘のサインです。

  • 数日間出ていない
  • ウンチは出ているが、いつもより次の排便までの間隔が長くなった など

3.排便時の様子

愛猫が排便をする時の様子に下記のような変化が見られた場合も、便秘のサインだと考えられます。

  • 力んでもウンチが出ない、出ても少ない
  • トイレに何度も出たり入ったりする
  • 力む時に鳴き声をあげる
  • 足がよろけるなどで、排便姿勢を上手くとれない など

4.下腹部を触ると硬いものの感触がある

下腹部を触ってお腹の中に硬い物が溜まっている感触がある場合も、便秘である可能性が高いです。

5.便秘以外の症状もみられる

上記のような便秘の可能性を示唆する症状の他に、下記のような症状がある場合は、便秘の可能性がとても高く、重症化し始めているかもしれません。また、便秘以外の病気が隠れている可能性も考えられます。

  • 食欲がない
  • 排便のため力んだ後に嘔吐する など

ご自宅でできる愛猫の便秘への対処

猫のトイレ掃除

フードの変更

腸の機能低下が原因の場合は、食物繊維が豊富なフードに切替えたり猫草を与えることで、腸への刺激が増して改善される可能性があります。

水分不足が原因の場合は、ウェットフードや猫スープなどの水分比率が高いフードの割合を増やすことで、水分摂取量を増やせます。

動物病院から療法食やサプリメントを処方された場合は、しっかりと食べさせるようにしましょう。

いずれにしても、便秘の原因によって適切なフードが異なるので、まずは動物病院で診てもらい、便秘の原因を見極めた上で獣医師と相談することをおすすめします。

ストレスの軽減

猫は、トイレが汚れていると排便や排尿を我慢してしまう傾向があります。トイレの数は猫の飼育頭数+1個以上にし、できるだけこまめにトイレ掃除をすることが、便秘の予防にもつながります。

充分な水分補給

下記のような施策で、愛猫の飲水量が増えるように工夫してみてください。

  • 水入れのボウルは複数箇所に設置する
  • 全てのボウルの飲み水を最低でも1日に1回は取り替える
  • 水入れのボウルの材質形状機能等を猫好みのもの替える など

適正体重・体型の管理

肥満の猫は便秘になりやすい傾向があります。体が重く動きたがらないため、運動不足から腸の機能が低下するのかもしれません。肥満は便秘以外にもさまざまな病気の引き金になり得るため、体重・体型は適正に管理しましょう。

マッサージ

愛猫を後ろから抱きかかえるように仰向けにして膝の上に乗せ、おへそを中心に指の腹で優しく「の」の字を描くようにマッサージをすると、排便を促せる効果を期待できます。ただし、下記のような猫には、あまり役に立たない可能性があります。

  • お腹に脂肪層が付いている肥満体型の猫
  • 便秘の症状が進行してしまっている猫

動物病院へ連れて行く

便秘をそのまま放置してしまうと、便の詰まった結腸が弛緩して巨大結腸症を発症するリスクが高まります。巨大結腸症の治療には手術が必要になる場合があったり、対処が遅れると敗血症で命に関わることもあったりするため、たかが便秘と軽く考えないようにしましょう。

以下のような症状が見られた場合は、迷わずに動物病院に連れて行きましょう。

  • 3日間ウンチが出ていない
  • 便秘が慢性化している
  • 食欲がない
  • 水を飲む量が増えているのに便秘気味
  • 嘔吐や下痢もみられる
  • ウンチに鮮血が混じっていることがある

まとめ

力む猫

人間の感覚だと、便秘程度で病院に行くなんてと思われる飼い主さんもおられますが、便秘は猫自身も辛いですし、命に関わる状態になることも多いため、甘く見ずにできるだけ早く動物病院で診てもらうようにしましょう。

飼い主さんの自己判断で人間用の下剤や浣腸を愛猫に適用してしまうと、副作用などで命に関わる状態を引き起こす危険性が高いです。くれぐれも自己判断で対処することは避けてください。

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