猫にとって危険な『家電』5選 事故が起きる前にすべき対策とは

猫にとって危険な『家電』5選 事故が起きる前にすべき対策とは

家電は人間にとっては便利なものですが、猫にとっては危険を及ぼす可能性があるものです。電気ストーブはその筆頭ですが、あからさまに猫にとって危険そうなのできちんと安全対策をしていて、かえって安全に使われていることが多いかもしれません。より問題なのは、普段頻繁に使用していて危険だとは意外に気付きにくいものや「ちょっとだから」と油断して放置しがちな家電たち。そんなごくごく普通に使われているけれども猫にとっては危険がある家電を、ここでは5つご紹介します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

1.アイロン

アイロン台の下でくつろぐ茶トラ

アイロンは熱さのせいで危険だということが分かりやすく、使っている間は誰もがかなり気を遣っているでしょう。しかし使用後、熱が冷めるまでに置いている間はちょっぴり気を抜きがちです。

まだ冷めきっていないアイロンへ猫がうっかり鼻をくっつけたり、何かの弾みで熱いアイロンが猫の上に落ちたりすると大火傷を負ってしまいます。

アイロンは猫のいない部屋で使う、使用後のアイロンは別室で冷ますなど、万が一触っても安全な温度になるまでは、絶対に猫をアイロンに接触させないようにしましょう。

2.炊飯器

炊飯器と少女

炊飯器で暖を取るのが好きな猫がいますが、炊飯中は水蒸気の吹き出し口が高温になったり高温の水蒸気があがったりしますし、お釜の中も炊きたて直後はとんでもない熱さです。

台所はそれでなくても猫にとっては危険物でいっぱいですから、できれば出入り禁止にしたいのですが…。

しかしそれは現実的に無理なお話、ということも多いでしょう。その場合、飼い主さんにできるのは、炊飯器の上より暖かくて気持ちのいい寝床を作って猫をそちらに誘導したり、専用のラックを使って炊飯器の上に猫が入れる隙間をなくしたりすることでしょう。炊飯器を買い替える場合には、出る蒸気が少ない機種に買い替えるのも良いですね。

3.卓上湯沸かし器

台所で男性に抱っこされる茶トラ

以前は大容量の湯沸かしポットが多くの家庭にありましたが、今は少量ですぐに沸くケトルタイプが人気です。しかしポットもケトルも100℃近いお湯が入った危険物!湯沸かし中の蒸気も危険ですが、倒れた時にお湯がこぼれてしまうと、猫が火傷を負うことがあります。

もし卓上湯沸かし器に転倒防止や漏れ対策がしてあったとしても、過信するのは禁物です。蒸気やお湯での火傷を防ぐには、湯沸かし器を使っている時にはそばを離れないようにしたり、猫がのぼらないまたは入らない場所で使うようにしましょう。使い終わった後、猫がいる部屋にポットを置いておく場合、残っているお湯を全て捨てるのも事故防止になります。

4.洗濯機

ドラム式洗濯機と猫

洗濯機で怖いのは「閉じ込め」です。猫を閉じ込めたままうっかり水を入れて洗濯機を回すのも怖いですが、ドラム式は水漏れしないよう密閉式になっていますから、回さなくても閉じ込められれば酸欠を起こします。さらに乾燥機を使った直後は中が50~60℃以上になっており、そこに閉じ込められればあっという間に熱中症になります。

洗濯機でのうっかりは死に直結します。これを防ぐには、もっと素敵な秘密基地を用意してそちらを気に入ってもらいましょう。そして洗濯機が置いてある部屋や洗濯槽には入らせないこと、興味を持たせないこと、扉を閉める際には必ず中を確認することなどが大切です。

5.電子レンジ

電子レンジの上でくつろぐ白黒猫

さすがに猫を意図的に庫内に閉じ込めることはないでしょうが、もし気付かないうちにそうなったら、酸欠になる可能性があります。またグリルやオーブン機能を使った直後は、庫内や天板、レンジの天面に触れると火傷をする危険があります。

電子レンジの重量や置き場所によっては、開いた扉に猫が乗ると電子レンジごと転落して大怪我をする可能性もあるでしょう。

しかし、台所で電子レンジを経由して冷蔵庫や食器棚の上に行く猫は沢山いるようです。猫が庫内に入らないように扉はいつも閉めておく、使用後に冷却するために扉を開けておく時や電子レンジの天面や側面が熱いうちは猫が電子レンジに近づけないようにする、猫が飛び乗っても安全な場所に電子レンジを置く、などの対策をしましょう。

まとめ

アイロン台上から窓の外を眺める猫

家電が何をするものなのか分からない、危険を予測できないという点では、小さい子どもと猫はいい勝負!当然、家電の危険度も同じです。

そのため、飼い主さんが猫にとって安全な環境づくりをして、猫を守らなければなりません。

大切な愛猫の命を守ったり、辛い思いをさせる事故を起こさないために、今一度家電の使い方や置き場所などを見直してみてはいかがでしょうか。

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