猫にとって超危険な『口内炎』の症状4つ 治療法と完治できない可能性

猫にとって超危険な『口内炎』の症状4つ 治療法と完治できない可能性

猫の口内炎は、軽症で口の中の一部が炎症を起こしたり、口の中全体に炎症が広がり重症となったりする場合があります。猫が口内炎になると、どのような症状があらわれるのでしょうか。治療法と完治についてもご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の口内炎の症状

猫の口もと

猫が口内炎を発症した場合、以下のような症状が見られます。

1.口臭

猫が口内炎になると口臭がするようになります。口内炎が悪化すると口臭はきつくなります。

2.よだれ

口内炎の痛みで、よだれを垂らすようになります。

3.口の中が赤い

炎症によって口の中が赤くなり、潰瘍ができたり出血したりします。

ひどくなると炎症が歯肉、舌、のどへと広がる場合があります。

4.痛み

口内炎は強い痛みを伴い、猫の生活の質が大きく低下します。

口内炎の痛みによって、次の症状がみられます。

  • 口の周りを足でかく
  • 痛みでよだれが飲み込めない
  • 痛みで食べられず食欲が落ちる
  • 痛みで食事をするたびに鳴く
  • 水を飲むのがつらい
  • 毛づくろいができない
  • 痛みのせいで攻撃的な性格になる

猫の口内炎の治療

口を開けられる猫

猫の口内炎の治療方法には、以下のような方法があります。

歯石の除去

猫の口内炎の原因は色々あります。歯周病が原因となる場合もあります。歯垢や歯石の中にいる細菌によって歯周病が起こり、炎症がひどくなると口内炎を引き起こすことがあるのです。

その場合、全身麻酔をして歯石を取り除き、口の中を清潔にする治療を行います。

歯垢や歯石がたまらないように自宅で歯のケアをすることが、口内炎の予防になります。

抜歯

歯石を取り除いても、結局同じ場所に再び歯石がついてしまって炎症が起きたり、歯周病が進行して歯がグラグラになったりしている場合があります。そのようなときに行われるのが、「抜歯による治療」です。

すべての歯を抜く治療による症状の改善率は、9割を超えると言われています。奥歯だけを抜いたり、全ての歯を抜いたり、どのような抜歯をするのかは猫の口の中の状況や体調などによって異なります。

投薬

抗生剤、痛み止め、ステロイドなどの薬を使った治療です。抜歯による治療の補助で行われることもあります。

口内炎の症状を薬によって長期間抑えられる可能性がありますが、副作用や薬の量を増やさなければならない場合もあります。

レーザー

口内炎の痛みを緩和したり、抜歯の傷を早く直したりするためにレーザーを使うことがあります。

麻酔は必要なく、痛みもありません。定期的にレーザー照射する必要があります。

猫の口内炎は完治できない可能性がある

猫を見る獣医師と飼い主

猫の口内炎の原因は細菌やウイルスなどが代表的なものですが、他にも色々ありはっきりした原因がわからにことも多いため、治療法が確立されていません。

また、猫の体調や歯や顎の状態によっては、抜歯ができない、投薬をやめると再発してしまうなど、完治が難しいケースもあります。

まとめ

口もとを触られる寝ている猫

猫の口内炎は口臭、赤み、痛みなどの症状があらわれ、猫は強い痛みで食事がとれなかったり、性格まで変わってしまったりすることがあります。

猫の口内炎が疑われるときは早めに動物病院を受診し治療を開始しましょう。

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