「ボサボサ」の毛とは
猫の毛がボサボサになってしまう時、「絡んだ抜け毛」と「毛の汚れ」、「毛質の悪化」が理由として考えられにます。「抜け毛」とは、皮膚から抜けても落ちずに被毛の中で絡んでいる毛です。
また、ここでいう「毛の汚れ」とは、皮膚から出る分泌物やフケ、空中を漂うホコリや調理で出る霧状の油滴などのこと。汚れが毛や皮膚に付くと、毛がさらに絡まりやすくなったり他の汚れもつきやすくなったりして、よりボサつきやすくなってしまうのです。
猫の毛がボサボサになってしまう原因とは
では、冒頭で説明したような状態になってしまうそもそもの原因とは一体なんなのでしょうか。
1.お手入れ不足
猫は通常であればセルフグルーミングで綺麗な毛並みを保てます。しかし長毛猫は、毛が長い分より毛が絡まりやすく汚れもつきやすいですし、猫自身のグルーミングだけでは手入れが追いつかないことがよくあります。
短毛種でも毛が密な猫は、セルフグルーミングだけでは抜け毛の除去が不十分なことがよくあります。また、猫の性格によっては、あまりグルーミングに時間をかけない猫もいます。
さらに揚げ物料理などが多い家庭や喫煙者がいる家庭などでは、猫の被毛が汚れやすくなるでしょう。汚れの程度や抜け毛の量に合ったお手入れが必要で、それが不足すると毛がボサボサになってしまいます。猫自身と飼い主さんによるグルーミングが大切です。
2.病気や栄養不良による毛質の悪化など
体調不良も猫の毛がボサボサになる原因です。
猫が病気になると皮膚にまわる栄養分が不足したり、だるさから手入れセルフグルーミングの回数や時間が減ったりしてボサつきが目立つようになります。これはどのような病気の場合でもいえることですが、特に猫に多い病気には以下のものが挙げられます。病気自体が毛質に影響することもあります。
- • 皮膚糸状菌症や寄生虫などによる皮膚疾患
- 腎臓病
- 糖尿病
- 甲状腺機能亢進症
- がん
- 極端な偏食(生魚しか食べないなど)による栄養の偏り
3.老化による毛質の悪化、グルーミング不足
高齢猫に多いのが、毛が束になってしまいところどころで地肌が見える「毛割れ」です。原因は高齢による生理現象として毛根が弱って毛が細く少なくなったり、体力の低下や病気によってグルーミング不足になったりすることだと考えられています。
高齢猫で毛質が悪化するのはある程度自然なことですが、病気が隠れていないか、食事量の減少による栄養不足がないかには注意が必要です。
愛猫の毛のボサボサが気になったら
抜け毛や汚れによる毛のボサボサ感は、毎日のブラッシングで解消します。さらにシャンプーを組み合わせると、より被毛はきれいになるでしょう。水嫌いな猫にはドライシャンプーを使うこともできますから、ストレスにならない程度に洗ってあげるといいでしょう。
しかし、飼い主さんによるお手入れが充分なはずなのにボサついてきたときには、病気が隠れているかもしれません。もし「何か違う」と感じたときには、まず病院で検査しましょう。
そして病気が見つかればその治療、年齢によるものならシニア生活のアドバイスを受けてみてください。高齢猫は食べる量が減ることが多いので、少量でもきちんと栄養を摂ることができる年齢に合った良質な食事が必要です。
まとめ
猫の毛のボサつきの原因には、毛そのものの問題かお手入れ不足が考えられます。きれいな毛並みを保つことは、見た目が良くなるだけではありません。
毛並みは健康のバロメーターになりますし、猫自身も快適に暮らせます。毛玉の多い被毛や抜け毛や汚れがたまった被毛より、ふわふわサラサラので余分なものがない被毛の方が通気性が良く、気温変化にも適応しやすくなるでしょう
きれいな毛並みを保つことは、見た目や健康だけの問題ではありません。毛玉の多い被毛より、通気性がよく、ふわふわサラサラの被毛の方が、気温変化に強い一面も持っています。
猫が快適に過ごすため、また健康を維持するためにも、今一度愛猫の毛並みを見直してみてはいかがでしょうか。