猫がトイレを『我慢する』3つの理由 すぐに対処しなかった場合の危険性とは

猫がトイレを『我慢する』3つの理由 すぐに対処しなかった場合の危険性とは

猫がトイレに行かない…それはもしかしたら、トイレを我慢しているのかもしれません。なぜ猫はトイレを我慢してしまうのでしょうか?トイレを我慢していると、どんな危険性があるのでしょうか?

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.トイレが汚れている

ピンクのトイレと汚物を差し出す猫

猫はとってもきれい好き。そのためトイレが汚れているのを嫌がって、排泄を我慢してしまうことがあります。

トイレは、できれば排泄の都度、排泄物を取り除いてあげて下さい。日中留守にしているなどで難しい場合は、外出前と帰宅後にトイレをきれいにしてあげるだけでも大丈夫です。定期的にトイレの砂を取り替えたり、トイレ本体を洗うことも忘れないで下さいね。

多頭飼いの場合は、1匹につき1個のトイレが必要になります。理想としては、予備を含めて「猫の頭数プラス1個」のトイレがあることです。

神経質な性格の猫の場合は、トイレをした直後に飼い主がやってきて掃除されるのを好まないこともあります。

猫のトイレは砂かきまでが重要ですので、思う存分砂かきをしてもらい、満足してトイレから出た後、数分の間を置いてから掃除するようにしましょう。

2.トイレの位置が変わった

トイレをのぞきこむ猫

猫は繊細なので、トイレの位置もとても重要なのです。静かで落ち着ける環境に設置してあるかどうかは、猫にとって大問題。気に入らない場所では、我慢してしまうことがあります。

猫は環境の変化に弱いので、トイレの位置が変わってもストレスになります。トイレを移動させたい場合は、今までのトイレはそのままに、別の場所に新しいトイレを設置して慣れさせましょう。その際、できれば同じタイプのトイレで、猫砂も同じものを使用するのがおすすめです。

新しいトイレを用意できない場合は、今までのトイレを毎日少しずつ移動させていき、急な移動がストレスにならないよう徐々に慣れてもらうこともできます。

3.トイレ自体が気に入らない

遠めにトイレを見つめる猫

トイレ自体の大きさは、猫の体に合っているでしょうか。排泄物に砂をかける習性のある猫には、砂をかけることのできる、ゆったりとしたトイレが必要です。目安としては猫の1.5倍以上の大きさがあるかどうか。猫が、中でひとまわりできる広さがなければいけません。

トイレのタイプも、猫の好みがあります。例えば、カバー付きのトイレは砂の飛び散りを防げるので掃除をする側としてはラクなのですが、周りを覆われているのを嫌う猫もいます。

砂の素材も種類がありますが、猫によっては好まない砂もありますので、猫が気に入った砂を入れてあげて下さい。

猫がトイレを我慢するとどうなる?

レントゲン写真と猫

猫が排尿を我慢していると、細菌に感染して尿路感染症を発症しやすくなったり、尿が膀胱内にずっと残ることでミネラルが固まり、尿石症の危険性が高くなったります。これらが悪化すると腎臓病のリスクも上がる可能性があります

腎臓病は、猫に多い病気ですが、命に関わることもある重大な病気です。トイレを我慢することは、猫の寿命を縮めてしまうかもしれません。軽く考えずに、早急に対処する必要があります。

まとめ

トイレの隣で恨めしそうに見上げる猫

猫がトイレを我慢してしまうのは、落ち着いて排泄できる場所ではなくなっているからです。猫が使いやすいトイレに変えてあげることで、我慢することもなくなるでしょう。

ただし、トイレを改善しても我慢することが続く場合、あるいはトイレに行くものの排泄できない場合などは、病気が隠れているかもしれません。1〜2日排尿できないと命に関わる場合もあります。様子がおかしい時は、速やかに動物病院で診てもらって下さいね。

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