1.認知症
住環境やフードの質の向上などにより、室内で飼われている猫の平均寿命は延びています。その分、高齢になって認知症になる猫も増えているのです。
認知症によって、猫が同じ場所をぐるぐると回る徘徊のような行動が起こることがあります。大きな声で鳴きながら歩き回ることも。
認知症になると、他にも食欲が増える、あるいは逆に減る、粗相をする、毛づくろいをしなくなるなどの症状や行動の変化が見られることが多いです。
2.脳神経疾患
脳が正常に働いていない時に、このような動きをすることがあります。この場合は、飼い主が呼びかけても反応を示さないことが多いですが、逆に過敏に反応することもあります。
脳に異常がある場合は、ぐるぐる回るだけでなく、元気や食欲がなくなったり、ふらつきが見られたりします。
もしくは痙攣発作が起きる場合があります。
3.耳の異常
耳の病気などで平衡感覚に異常が生じ、まっすぐに歩けないためにぐるぐる回ってしまうというケースです。猫はまっすぐ歩いているつもりなのですが、曲がってしまって行きたい場所へ行くことができません。平衡感覚に異常があると、首が傾くことがあります。
耳の病気では初期の段階で耳を掻いたり、耳を傾ける、頭を振るなどの動作が見られます。早い段階で気づいてあげられるといいですね。
高齢猫がぐるぐる回る時はどうしたらいい?
呼びかけた時に反応するか、首が傾いていないか、ぐるぐる回る以外に症状がないか、などを観察してみましょう。それから、動物病院を受診して、これらの情報を獣医師に伝えて下さい。また、猫がぐるぐる回っている様子を録画しておき、獣医師に見せると診察がスムーズになります。
認知症による徘徊の場合は、無理に歩くことをやめさせるとストレスになります。室内の段差や家具の角でケガをしないよう、環境を整えてあげる必要があります。不安から歩き回ってしまうこともあるので、安心して隠れられる狭い場所も用意してあげて下さい。飼い主とのスキンシップも猫の不安を和らげるために大切なことです。
まとめ
猫が同じ場所をぐるぐると回る行動は若い時や健康な時でもあります。同じ場所のにおいを嗅ぐことがルーティーンとなっていて、このような行動になることがあるのです。
しかし、いつもと様子がおかしい場合は病気が隠れていることがあります。普段から猫の様子をよく観察していると、異常があった場合に、いつもと同じ行動なのか、いつもと様子が違うのか、判断しやすくなるでしょう。
高齢になると、病気のリスクも高くなります。日頃から猫とのコミュニケーションを大切にして、猫の様子を気にかけてあげて下さいね。