いつか訪れる愛猫との別れ
猫の飼い主さんにとって恐れていることのひとつは、大切な愛猫との別れではないでしょうか。一般的に猫の寿命は12~18年といわれており、いくら健康に気を遣っていても人間と比べて短い時間しか一緒にいることはできません。愛猫を看取るのは想像しただけでもつらい気持ちになりますが、飼い主さんの役目のひとつでもあります。
愛猫の体が弱ってお別れの日が近づいた時、残された最期の時間をどのように過ごせばよいのでしょうか。最期に飼い主さんが愛猫のためにできることを解説します。
残された最期の時間にできること
1.そばにいて声をかける
愛猫とのお別れが近づくと悲しみで胸がいっぱいになってしまいますが、最期の時はできるだけポジティブで優しい言葉をかけてあげましょう。「一緒にいてくれてありがとう」という感謝の気持ちや、「大好きだよ」という素直な想いをぜひ愛猫に伝えてください。優しく名前を呼ぶのもよいでしょう。
声をかけても元気な頃のように反応が見られないこともあるかと思いますが、ぼんやりとした意識の中で、飼い主さんの温かな想いはきっと届いているはずです。
2.思い切り甘やかす
猫は自分の死期を悟ると、今までよりも甘えん坊になることが多いそうです。愛猫が安心できるように優しく体を撫でるなどして、思い切り甘えさせてあげてください。ただし体が弱っている時は、ひとりで静かに過ごしたがる猫もいます。飼い主さんから離れた場所にいようとしているのなら、愛猫の気持ちを汲んでそっとしておいてあげたほうがよいでしょう。
3.好きな物を食べさせる
「自分なら最期の晩餐に何を食べたいだろう」と考えたことがある方は多いでしょう。できることなら、美味しい物や好きな物をお腹いっぱい食べてから人生を終えたいものです。また、美味しい物を食べることで、束の間とはいえ、心が安らぐこともあるでしょう。
猫の体調をみながら検討する必要があるので、必ず、獣医師に相談をしアドバイスをもらうことをおすすめします。
4.安心して眠れる環境を整える
病気や老化で体が弱ってきた猫は、1日の大半を眠って過ごすケースが多いでしょう。最期の時を穏やかに過ごせるように、安心して眠れる寝床を用意することが大切です。
長時間横になっていても体が痛くないようにクッションを使ったり、床ずれしないように数時間ごとに体勢を変えてあげたりすると負担が軽くなります。寝床で排泄してしまうこともあるので、すぐにキレイにしてゆっくりと休める環境を整えましょう。
まとめ
愛猫との最期に飼い主さんにできることは、家族として優しく寄り添うことではないでしょうか。大好きな飼い主さんの声を聞き、ぬくもりを感じながらお別れできるのは猫にとってこの上ない幸せな最期でしょう。
とはいえ24時間、片時も目を離さずに愛猫のそばにいることは難しいので、愛猫の最期に立ち会えなかったという飼い主さんも少なくありません。納得のいく形でお別れができないと後悔してしまうものですが、もしもそうなってもどうか自分を責めないでくださいね。
最期の瞬間にそばにいられなかったとしても、それまで一緒にいた日々で飼い主さんが注いだ愛情が、愛猫の限りある猫生を豊かなものにしていたはずです。いつか訪れる別れの日にきちんと見送れるように、愛猫と過ごせる何気ない毎日に感謝し、惜しみなく愛情を注げたら飼い主さんにとっても愛猫にとっても幸せですね。