猫の「散歩」には危険も
「完全室内飼い」が一般的となった昨今ですが、愛猫を散歩に連れ出す人もいます。猫の散歩にはいくつかのメリットがありますが、同時に、猫を外に出す危険性を十分理解しておかなければなりません。
猫散歩で何より怖いのは「逃走」です。サイレンを鳴らしながら救急車が通ったり不意に野良猫や散歩中の犬に出くわしたりすれば、どんな猫でも走り出す可能性があります。そうなると人では絶対に追いつけません。そのまま迷子になったり他の猫と喧嘩になったり、最悪の場合目の前で交通事故に遭う可能性もあるのです。
他にも毒性のある植物を口にして激しい中毒を起したり、蚊やノミダニの被害に遭ったりなど、外では様々な危険がつきまといます。
しかし、このような危険性をきちんと認識した上で万全の準備をすれば、猫の散歩にはメリットもあります。
今回は猫の散歩に関する注意点とともにメリットをご紹介しますので、是非参考にしてみてください。
猫散歩のメリット4つ
では、ここからは猫を散歩させるメリットについて紹介いたします。
1.猫のメンタルにプラスの刺激
日々全く変化のない生活も、猫にとってある意味ストレスです。繊細な猫にとって、ストレスのある生活はおすすめできません。
しかし散歩で外に出ると大量の情報を吸収することができ、猫の脳が一気に活性化するのです。
2.家を覚えてくれる
普段から家の周りを歩いていると自分の家を覚えます。これは万が一の脱走時、帰宅の可能性を高めます。
3.避難所などでのストレス軽減
外の雰囲気に慣れていれば、災害時の避難生活中も、ストレス程度が軽減される可能性があります。
またリードが使えれば一時的でもキャリーケースから出すことができ、気分転換も図れます。
4.かけがえのない時間を過ごせる
長距離を歩く猫もいますが、ほとんどの猫は匂いを嗅いだり隙間をのぞいたりして立ち止まってばかりです。
猫との散歩はゆっくり時間が流れます。猫とふたりきり、濃密でかけがえのない時間になります。
猫の散歩での注意点
猫の散歩はメリットがありますが、いくつか注意したい点も。後悔しないように入念な準備で注意点をクリアしてから散歩を楽しむことをおすすめします。
事前準備
外に出すなら迷子になること前提で!必ず首輪やハーネスに迷子札を付け、マイクロチップを装着しておきましょう。
また、病気はどんな経路でうつるか分かりません。外に寄生虫は必ずいます。予防接種とノミ・ダニ・内部寄生虫の感染予防も猫の散歩における必須項目です。
練習
突発的な動きを阻止するため、必ずハーネスとリードを付けること。形はベスト型のハーネスで、ぴったりサイズを選びましょう。
また、いくらフィットしたハーネスでも、リードさばきが悪ければあっさり抜けてしまいます。外に出る前には数日以上かけて、室内で猫と一緒にリード歩行を練習しましょう。
首輪とハーネスの両方を装着し、それぞれリードをつけるダブルリードをすれば、どちらかが抜けた時にも安心です。
最初は静かな早朝や深夜の時間帯がおすすめです。そこから少しずつ慣らしていきましょう。
当日
突発的なアクシデントがあったときに逃げられるよう、逃走経路を用意しましょう。
- 玄関や窓を開けておく
- 抱っこで歩き回れるようにしておく
- キャリーバッグを持ち歩き、いつでも逃げ込めるよう訓練しておく
まとめ
猫の散歩に対する考え方は人それぞれで、獣医さんでも意見が分かれるところです。さらに性格によって散歩に向かない猫もいますので、100%おすすめとはいえません。
猫散歩は心楽しい一方、常に緊張を強いられます。万全の体制でもいつ何が起きるか分からないのが「外」というもの。
もし猫の散歩行くときは、常に迷子の可能性を念頭に、迷子になったら最悪の場合は猫が死んでしまうという覚悟が必要です。無理をしないで入念な準備をして出かけましょう。
基本は完全室内飼いが推奨されていますので、ビビリな性格など散歩が難しそうな場合や飼い主さんの不安が強い場合、準備が整っていない場合は、猫散歩はやめておきましょう。