肥満じゃない!!お腹の「たるみ」の正体
猫の脇腹には謎のたるみがあります。これは「ルーズスキン」と呼ばれるもので、肥満とは関係ありません。ここには脂肪が詰まっているのではなく、皮が余っているのです。
ルーズスキンは、猫が生きるうえで欠かせない役割を果たしています。次の項目で詳しく紹介いたします。
地味に凄い!!ルーズスキンの役割
ルーズスキンがあるおかげで、猫の生活は豊かになっています。ここでは4つの役割を紹介いたします。
1.体を自由に伸ばせる
猫は言うなれば、着ぐるみを着て生活しているようなものです。皮にゆとりがなければ、自由に体を伸ばしたりねじったりすることができません。
そこに優れた柔軟性が加わることで、人間の着ぐるみよりも高性能な働きをしてくれます。
2.俊敏な動きができる
猫は狩りのために、一気に走って獲物を追いつめます。瞬発力を発揮するためにも、このルーズスキンが欠かせません。
皮に余裕がないと、突っ張るうえに皮が引きちぎれる恐れがあります。ゆとりがある構造によって、思う存分走ることができるのです。
3.高い場所に飛び移れる
猫はジャンプも得意です。体長の5倍は飛べるといわれ、1.5mから2m程度は余裕で飛ぶことができます。
ここでもやはり、ルーズスキンが役立っています。理由は瞬発力に必要な条件と同じです。皮にゆとりがあることで制限なく足を伸ばすことができ、強靭な筋肉の動きに適応することができるのです。
4.大切な内臓を守る
腹部には内臓が詰まっています。ルーズスキンは大切な内臓を守る役割も担うのです。
猫同士が喧嘩になった際や天敵に襲われた際、ルーズスキンがクッションになることで衝撃を和らげてくれるのです。
肥満との見分け方
ルーズスキンそのものは肥満ではありません。しかし、ポヨンとした体型の猫の中には肥満の子も混ざっています。
そこで、両者の見分け方をいくつか挙げてみます。
- くびれがあるかどうか
- 撫でた時に肋骨に触れるかどうか
- 適正体重かどうか
これらに該当しない場合は肥満の恐れがあります。日頃から室内で運動させ、暴食を防ぐように心がけましょう。
まとめ
猫の脇腹周辺にある「たるみ」はルーズスキンといい、猫の生活に欠かせないゆとりです。
ちなみにルーズスキンは子猫にはありません。個体差こそありますが、生後6ヶ月頃を境に発達します。ちょうど母猫から独立し、本格的な狩りが始まる頃ですね。
ルーズスキンができあがるとオトナの仲間入りなのですが、肥満との識別が重要です。肥満は万病のもとなので、愛猫のたるみが良いたるみなのか、改善が必要なたるみなのかチェックしてみてください。