猫に『たるんだお腹』がある4つの理由!肥満状態と何が違うの?

猫に『たるんだお腹』がある4つの理由!肥満状態と何が違うの?

猫は皆、お腹がたるんでいますよね。実はこれ、肥満ではないのです。今回は「たるみ」が持つ4つの役割と肥満との違いについて紹介いたします。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

肥満じゃない!!お腹の「たるみ」の正体

ソファーに座る猫

猫の脇腹には謎のたるみがあります。これは「ルーズスキン」と呼ばれるもので、肥満とは関係ありません。ここには脂肪が詰まっているのではなく、皮が余っているのです。

ルーズスキンは、猫が生きるうえで欠かせない役割を果たしています。次の項目で詳しく紹介いたします。

地味に凄い!!ルーズスキンの役割

アクロバットな動き

ルーズスキンがあるおかげで、猫の生活は豊かになっています。ここでは4つの役割を紹介いたします。

1.体を自由に伸ばせる

猫は言うなれば、着ぐるみを着て生活しているようなものです。皮にゆとりがなければ、自由に体を伸ばしたりねじったりすることができません。

そこに優れた柔軟性が加わることで、人間の着ぐるみよりも高性能な働きをしてくれます。

2.俊敏な動きができる

猫は狩りのために、一気に走って獲物を追いつめます。瞬発力を発揮するためにも、このルーズスキンが欠かせません。

皮に余裕がないと、突っ張るうえに皮が引きちぎれる恐れがあります。ゆとりがある構造によって、思う存分走ることができるのです。

3.高い場所に飛び移れる

ジャンプする猫

猫はジャンプも得意です。体長の5倍は飛べるといわれ、1.5mから2m程度は余裕で飛ぶことができます。

ここでもやはり、ルーズスキンが役立っています。理由は瞬発力に必要な条件と同じです。皮にゆとりがあることで制限なく足を伸ばすことができ、強靭な筋肉の動きに適応することができるのです。

4.大切な内臓を守る

腹部には内臓が詰まっています。ルーズスキンは大切な内臓を守る役割も担うのです。

猫同士が喧嘩になった際や天敵に襲われた際、ルーズスキンがクッションになることで衝撃を和らげてくれるのです。

肥満との見分け方

身体測定

ルーズスキンそのものは肥満ではありません。しかし、ポヨンとした体型の猫の中には肥満の子も混ざっています。

そこで、両者の見分け方をいくつか挙げてみます。

  • くびれがあるかどうか
  • 撫でた時に肋骨に触れるかどうか
  • 適正体重かどうか

これらに該当しない場合は肥満の恐れがあります。日頃から室内で運動させ、暴食を防ぐように心がけましょう。

まとめ

座るお腹のたるんだ猫

猫の脇腹周辺にある「たるみ」はルーズスキンといい、猫の生活に欠かせないゆとりです。

ちなみにルーズスキンは子猫にはありません。個体差こそありますが、生後6ヶ月頃を境に発達します。ちょうど母猫から独立し、本格的な狩りが始まる頃ですね。

ルーズスキンができあがるとオトナの仲間入りなのですが、肥満との識別が重要です。肥満は万病のもとなので、愛猫のたるみが良いたるみなのか、改善が必要なたるみなのかチェックしてみてください。

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