猫の「記憶力」って良いの?悪いの?現在わかっている6つの結果

猫の「記憶力」って良いの?悪いの?現在わかっている6つの結果

「猫は三年の恩を三日で忘れる」ということわざがあります。本当に猫はすぐに忘れてしまい、記憶力が良くないのでしょうか。猫の記憶力について分かっていることをご紹介します。

1.短期記憶に優れている

人の足もとに座る猫

短期記憶とは、人の行動で言うと電話をかける前に番号を覚えたり、暗算をしたりするときの記憶です。必要がなくなればすぐに忘れてしまうことがほとんどです。

実は短期記憶は、人よりも猫の方が優れています。人の短期記憶は30秒ほどですが、猫は10分ほどあることがわかっています。16時間も覚えていたという研究結果もあるのです。

2.興味のないことの記憶は続かない

寝そべる猫

短期記憶が得意な猫ですが、猫の興味のないことに対しては短期記憶は良いとは言えません。

猫の記憶力の実験を食べ物で行うと良い結果が出るのに対し、おもちゃで行うと食べ物のときよりも良い結果は出なかったそうです。

3.嫌なことは時間が経っても忘れない

不機嫌な顔の猫

怖かったことや嫌だったことなどは、猫は時間が経っても覚えています。これは生きていくうえで危険を回避するために必要なことです。

体が濡れるのが嫌でシャンプーが苦手な猫や、慣れない車や場所などが嫌で動物病院に行くのを怖がる猫も。そのような猫は嫌だったことを覚えているので、飼い主さんが準備を始めた段階で逃げようとすることもあるのです。

また、ジャンプに失敗して落ちたなど、人に笑われたことも覚えていると言われています。

4.うれしいこと、ワクワクすることは忘れにくい

片方の前足を挙げる猫

猫にとってうれしいこと、特に食べることに関する記憶は忘れにくいことがわかっています。本来群れで生活をしない猫にとって、食べることは大切なことなので記憶しやすいのです。キャットフードの袋の音や缶詰を開ける音などを聞きつけて走ってくる猫もいます。

食べること以外では、猫は好奇心旺盛なのでワクワクしたことを忘れにくいです。例えば、隣の部屋に興味があって行きたいがドアが閉まっている状況では、飼い主さんの行動を観察してドアの開け方を記憶して、開けようと挑戦します。成功するとドアの開け方を長く記憶することができるのです。

5.飼い主さんや同居猫は忘れにくい

抱っこされる猫

身の回りのお世話をしてくれて甘えられる存在である飼い主さんや、同居猫との記憶は忘れにくいです。長い時間一緒に過ごすことで記憶に残ります。

『猫は3日で恩を忘れる』と言われることもありますが、旅行や仕事などで数日離れただけで忘れることはありません。しかし、2~3年離れてしまうと忘れていくようです。

もちろん猫の年齢や飼い主さんとの関係によって忘れずにいられる期間が異なります。忘れてしまっているように見えても猫が名前を呼ばれることや一緒に遊ぶことを繰り返すうちに思い出したりすることもあります。

幼い頃に離ればなれになった母猫やきょうだい猫との記憶は、成長とともに忘れてしまいます。再会してもお互いに威嚇や警戒をしてしまうことが多いです。

6.人の言葉、自分の名前を覚えられる

向かい合う猫と子ども

猫は飼い主さんの話す言葉を80語ほど記憶しているようです。飼い主さんの行動や雰囲気などからも言葉の意味を理解し、記憶している場合もあります。特に「ごはん」「おやつ」「だめ」などの単語を覚えた猫は多いです。また、自分の名前、同居猫の名前と顔を覚えていることもわかっています。飼い主さんの行動や会話を見たり聞いたりすることで覚えた可能性があるようです。

まとめ

遠くを見つめる猫

猫の記憶力は人間よりも優れている部分もあり、けっして悪くありません。特に食べることや楽しいことはよく覚えています。危険を回避するために怖かったことなども覚えています。

また、飼い主さんや同居猫の名前、人の話す言葉も覚えることができるのです。

愛猫はどんなことを記憶しているのか、その行動を観察すると見えてくるかもしれません。

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