感情が無くなるほどの状況とは?
あるとんでもない状況に対して言葉を失うことがあっても、「感情が無くなる」という感覚はなかなか想像しにくいものですよね。
例えば日常的に暴言を浴び続けたり、偏った考えを一方的に押し付けられ、自分の意思が反映されなくなったとします。最初は反論しますよね。何とか状況を変えようと、相手の意図を汲み取りながら自分の気持ちを伝える努力をします。しかし好転しないまま、事態が悪化の一途を辿ると徐々に抵抗することがなくなってしまいます。
「何をしても無駄」「もう考えるのをやめよう」と無気力な状態に陥ってしまいます。これを『学習性無力感』といいます。結果的にはあらゆる感情が無になってしまいます。
同じように、猫も極限状態に陥るようなストレスに晒され続けると、感情を無くしてしまうことがあります。
猫が無感情になりかねないNG行為
猫が「学習性無力感」から感情すら表に出せなくなるような状況とはどのようなものなのでしょうか?
今回は、飼い主が絶対にしてはならないNG行為を4つ紹介いたします。
1.常に無視する
愛猫が駄々を捏ねている状況に対して多少無視をするのは仕方のないことです。しかし、何事においても無視を続けるのは虐待のようなものです。
「お腹がすいたのに気づいてくれない」「トイレ掃除をしてほしいのにずっと汚いまま」など、健康に関する大事な情報すら伝わらなくなってしまいます。
ストレスから、思いを発信することをやめてしまうだけではなく体調不良を引き起こしてしまいます。
2.刺激が乏しい
無視するほどではないものの、愛猫を取り巻く環境が極端に刺激のないものでは感情が育ちません。
晴れた日はカーテンを開けて光を取り込み、ひなたぼっこをさせてあげましょう。夕方以降は活発になるので遊んであげてください。
3.暴言を浴びせる
冒頭の例のように、猫に対しても暴言を浴びせてはなりません。猫は日常的によく聞く言葉は、音や雰囲気から理解できるようになります。
誰が聞いても気分が悪くなるような言葉は、猫にもその意味合いが伝わります。
「自分は愛されていない」「居なくなったほうがいいのかな」とネガティブな感情を抱くようになり、やがてはその感情すら失ってしまいます。
4.暴力を振るう
暴力はいかなる理由があっても許されません。イタズラをしたから、危険な状態だったから…そこで手を挙げてしまうのは言い訳です。
ダメなことは「ダメ」と言葉で伝えましょう。現行犯で注意すれば理解することができます。ただし、爪とぎやカーテンによじ登るなどの習性が絡んだことは叱るだけでは不十分です。
専用の爪とぎや、キャットタワーなどで代換えしてあげましょう。暴力が身近になってしまうと何も感じることができなくなり、目が死んだようになってしまいます。
感情豊かな猫に育てるには?
逆に感情が豊かな猫に育てるには、どのような接し方を心がければ良いのでしょうか?
- 積極的に話しかける
- よく褒める
- 猫の気持ちを理解して応えてあげる
- のびのび過ごせる環境を整える
- 健康面に関するお世話を怠らない
人間の子どもが良い刺激の中で育つと豊かになるように、猫も猫らしい生活が送れる環境の中でポジティブな刺激を必要としています。
飼い主さんがよく話しかけ、褒めてあげることで自信を持ち、猫もボディランゲージを通して感情を表現してくれるようになるでしょう。
スリスリと甘えてきたら撫でてあげましょう。「気持ちが伝わった」という感覚は重要です。全ての要求に応える必要はないですが、ここぞと言う時は適切に応えてあげましょう。
まとめ
人も猫も、抗いきれないようなストレス状態に晒され続けると感情を無くしてしまいます。
猫の場合は無視される・刺激が乏しい・暴言や暴力を受けるなどの状況が続くと無気力になり、気持ちを表現することすらできなくなってしまいます。
極度のストレスは体の健康だけではなく、心の健康も奪ってしまうことを念頭に、穏やかで豊かな感情表現ができる環境を整えてあげてください。