シニア・持病のある猫のためにできるペット終活とは?

シニア・持病のある猫のためにできるペット終活とは?

獣医療が進化して、日本に住むペットたちの寿命はどんどん伸びてきていますよね。それと同時に「ペット終活」を意識する飼い主さんも増えてきたように感じます。今回の記事では、ペットロスカウンセラー・ペット終活アドバイザーの視点から「シニア期に入った猫や病気を抱えた猫のためにできるペット終活」についてお話していきます。

ペット終活とは?

リラックスする老猫

「終活」とは「人生の終わりを迎えるための活動」のことです。

人の終活では、財産分与・遺言書の作成・お墓の準備などがありますが「ペット終活」では一体どのようなことを行うのでしょうか。

ペット終活では明確に「これをする」という正解はありませんが、以下のことを行う飼い主さんが多いように感じます。

  • 愛猫との写真をたくさん撮る
  • 肉球スタンプを残しておく
  • 思い出づくり(思い出ノートの作成)
  • ペット葬儀のリサーチ

犬の場合には「一緒に旅行に行って思い出をつくる」という飼い主さんも多いのですが、猫の場合にはそういうわけにもいきませんよね。

猫はいつも通りの環境でのんびり過ごす毎日が大好きです。なので、「やってあげられることがない」と落ち込む必要はありませんよ。

「家にいても愛猫のためにこれをしてあげたい」というものを積極的に考えていきましょう。

愛猫が愛猫らしく生きるための心構え

撫でられる老猫

ペット終活で最も重要なのは「その子が最期の瞬間までその子らしく生きられるようにする」ことです。

私たちにもこれまで生きてきた中で育まれた個性があるように、みなさんの愛猫にも大切な個性があります。

好きなもの、好きな場所、嫌いなもの、苦手なことなど、マイナスに思えてしまうようなものがあったとしても、それもその子をつくり上げている大切な要素なんですよね。

その「個性」を最期まで尊重してあげることを、飼い主さんは心に留めておきましょう。

では、具体的に“愛猫が愛猫らしく生きるために”どのようなことに気をつけていけばいいのかをお話していきますね。

「シニアだから」「病気だから」と考えない

愛猫が高齢になったり病気にかかったりすると、やはり多くの飼い主の脳裏には「お別れの時」がよぎって、とても不安な気持ちになります。

そうして不安になると、飼い主はつい過保護になりがちです。

もちろん、かかりつけの獣医師から禁止されているものなどは守らなくてはいけませんが、「病気だからこのおやつはやめておこう」とか「シニアだからあの遊びはもうやめよう」など、猫ちゃんを想うあまり“飼い主さんの独断で”猫ちゃんの好きなものや大切に思っていることを奪ってしまってはいませんか?

歳をとったり病気になったりしても「この子はこの子」です。

「シニアくん」「病気ちゃん」なんかではありません。

無意識にそう思ってしまわないように、飼い主さんは気をつけましょうね。

愛猫の目線でいることを忘れない

シニア期や持病を持つ猫の飼い主さんは、先ほどお話したことに加えて「愛猫の目線でいることを忘れない」と心に留めておきましょう。

お別れが脳裏をよぎり不安になった飼い主さんに多いのは「この子は私が飼い主で不幸だったのではないか」と思ってしまうことです。

弱ったペットを見ていて、自分と出会わなければもっと違う道があったのではないかと考え込んでしまうんですね。

そして、この想いは愛猫が旅立った後に「ペットロス」の症状としてさらに飼い主を苦しめます。

だけど、あなたの愛猫も同じことを思うでしょうか?「あなたと出会わなければ」と、そんなことを考える子なのでしょうか?

猫は何気ない毎日が幸せです。その「何気ない毎日」には、いつでも大好きな飼い主さんの姿もあったはず。

シニア期や病気を抱えた猫ちゃんと過ごす時には、愛猫の目線に立って「どのように思うか」や「どんなことがしたいか」など考えることを忘れないようにしてくださいね。

愛猫のために「今」できること

シニア期や病気を抱えた猫のペット終活と、飼い主さんの心構えについてお話してきました。

「終活」という響きからマイナスなイメージを持って、悲しくなってしまう人もいるかもしれませんね。ですが、「この子のためにまだやれることがある」というのを忘れないでください。

特別なことができなくても「愛猫の安心できる場所を守る」というのだって立派なペット終活ですよ。

大好きな飼い主さんと安心できる家で過ごせることは、「当たり前」のようでいて猫ちゃんにとってはものすごく幸せなことです。

ぜひペット終活として、大切な家族でもある愛猫のために「今できること・この先していきたいこと」を考えていってくださいね。

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