1.コーニッシュレックス
コーニッシュレックスは、短く縮れた被毛が特徴の、イギリス原産の猫です。コーニッシュレックスという名前は「コーンウォールの巻き毛」という意味になります。
コーニッシュレックスの起源は、1950年、イギリスのコーンウォール州で、偶然生まれた巻き毛の子猫が始まりです。母猫との交配で巻き毛のオスが2匹生まれ、その後、シャム猫やロシアンブルー、アメリカンショートヘアーなどとの交配を繰り返し、コーニッシュレックスが誕生しました。
見た目は、硬そうな印象ですが、触ってみると、縮れた被毛は、柔らかく滑らかな手触りをしています。縮れているのは被毛だけではありません。ヒゲが縮れているのも特徴的です。毛色は、ブラック、チョコレート、ホワイト、クリーム、レッドなど様々です。
その他の外見的特徴としては、小さな顔で頬骨が高く、大きな耳をしています。体つきは細長く小柄で、体重も他の猫種と比較して軽く、3~4㎏です。体は小さいですが、筋肉質で身体能力が高く、機敏な動きをします。
性格的には穏やかで社交的。遊ぶことは大好きですが、鳴き声が小さいので、比較的飼いやすい猫です。
2.デボンレックス
デボンレックスも、短く縮れた被毛が特徴的な猫種です。1960年にイギリスのデボン州で保護された猫が縮れ毛の猫でした。その後、広範囲にわたる交配を繰り返して、デボンレックスが誕生したのです。コーニッシュレックスとの交配も試みられましたが、生まれた子猫は皆直毛だったのだとか。
基本的には短毛ですが、交配の範囲が広いため、長毛のデボンレックスが生まれることもあります。また、毛色や模様も様々です。
丸みをおびた顔に大きな耳、大きな目をしており、その外見から「ピクシーキャット」や「エイリアンキャット」と呼ばれています。見た目や性格が犬のプードルのようなので「プードルキャット」と呼ばれることも。
体重は2.5~4㎏ほどで小柄です。性格は、好奇心旺盛で人懐こく、甘えん坊です。
3.スフィンクス
独特な顔立ちをした無毛の猫種がスフィンクスです。1960年代にカナダで生まれた無毛の猫が起源とされていますが、その猫の子孫は途絶えてしまい、1970年代に見つかった無毛の猫が今のスフィンクスの元になっているそうです。
スフィンクスは、毛がないことが一番の特徴ですが、まったく生えていないのではなく、非常に短い産毛が全身を覆っています。産毛の色は、多くの種類が存在します。ただし、ヒゲはほとんどありません。
人懐こく、甘えん坊で、飼い主の膝の上が大好き。社交的で人見知りもあまりしません。体重は3~5㎏で、一般的な猫と変わりません。
毛がないので抜け毛の心配はありませんが、毛がない分、暑さ、寒さにも弱く、完全室内飼いで温度管理をする必要があります。また、皮脂がたまりやすいので、皮膚のお手入れも欠かせません。
4.ドンスコイ
スフィンクスと同様、毛のない猫にドンスコイという猫種もあります。ドンスコイはロシア原産で、「ドン・スフィンクス」「ドン・ヘアレス」とも呼ばれることもあります。1987年、ロシアのロストフで発見された猫が起源です。別名の「ドン」は、この猫が発見されたのがドンという名の川のほとりだったからだとか。
同じ無毛の猫でも、スフィンクスが劣性遺伝なのに対し、ドンスコイは優性遺伝です。猫としては珍しく、全身に汗腺があります。また、足に水かきがあるのも大きな特徴です。スフィンクスにはヒゲがありませんが、ドンスコイにはあります。
被毛には4種類あり、無毛の「ラバーボールド」、頭の一部が無毛で生まれ、カールした被毛が生えた後抜け落ちる「ベロア」、滑らかな毛がありますが、成長とともに抜け落ちる「フロックド」、生まれてから3年ほどで毛が抜け落ちる「ブラッシュ」です。ブラッシュは、毛が抜け落ちた後も、冬になるとしっぽの先など一部に毛が生えます。
温度管理に注意し、室内で飼育します。日焼けに弱いので、直射日光に気をつけなければいけません。無毛のため、ブラッシングは不要ですが、汗をかくので、皮膚のお手入れが必要です。
体重は2.5~4㎏で小柄ですが、筋肉質。性格は穏やかで人懐こく、賢いので飼いやすいですが、寂しがりやなので留守がちな家庭には向かないかも知れません。
まとめ
個性的な容姿の猫種をご紹介しました。見た目はインパクトがありますが、優しい性格で、飼い主によく懐く子が多いようです。まだまだ珍しい猫ですが、猫を飼うのが初めてという人でも飼いやすいと言えるでしょう。
ただ、一般的な猫とは異なる特徴があり、気をつけなければならないこともあります。もしお迎えすることになったら、しっかりと準備を整えてから飼育して下さいね。