抜け毛が多いのはダブルコートの猫
猫の毛は、その構造によって「シングルコート」と「ダブルコート」に分類されます。
「シングルコート」は、オーバーコート(上毛)のみが生えたシンプルな構造です。サラサラとした毛並みになります。毛玉や抜け毛が少ないことも特徴です。
「ダブルコート」は、オーバーコートの下にアンダーコート(下毛)が生えた2層構造になっています。
シングルコートの猫と比べるとより密集した被毛になるので、ふわふわした毛並みになります。その代わり、換毛期には大量に毛が抜けたり、毛玉ができやすくなります。
抜け毛が多い猫種
抜け毛が多いのはダブルコートの猫だと紹介しましたが、具体的にはどの猫種が当てはまるのでしょうか?代表的な猫を5種紹介いたします。
1.ノルウェージャンフォレストキャット
優雅で美しいノルウェージャンフォレストキャット(以下ノルウェージャン)。寒さに適応するために、密集した毛が生えています。春の換毛期にはゴッソリと毛が抜けるので、毎日のブラッシングが欠かせません。
しかし興味深いことに、ノルウェージャンの中にはそれ程毛が抜けない猫もいます。同じ猫種でも個体差があり、サラサラとした毛質を持つノルウェージャンは抜け毛が少ないタイプになります。
どちらのタイプにせよ、長毛種なのでブラッシングは毎日してあげてください。
2.ペルシャ
ペルシャもゴージャスな長毛種です。やはりダブルコートなので、換毛期にはそれなりの毛が抜け落ちます。
脇の下や胸毛、腹部の毛など毛玉になりやすい部分を重点的にブラッシングしてあげましょう。
3.アメリカンショートヘア
これは少し意外かもしれません。アメリカンショートヘア(以下アメショ)もダブルコートなので、他の短毛種より毛が抜けます。
換毛期にはアンダーコートが頻繁に抜けるため、こまめにブラッシングをしてあげましょう。特に、背中やしっぽの周辺は毛繕いがしにくいので、飼い主さんが手伝ってあげましょう。
4.アビシニアン
これまた意外かもしれませんが、アビシニアンも抜け毛が多い猫種です。シンプルな被毛に見えますが、実はダブルコートの持ち主だからです。
アビシニアンはアメショと同じ短毛種なので、毛が絡まやすい部位があるわけではなく、お手入れは簡単です。
ちなみにアビシニアンの長毛種に当たるソマリもダブルコートなので、しっかりとケアしてあげましょう。ソマリの場合は脇の下や腹部などの毛が絡まらないように気をつけましょう。
5.日本猫
キジトラやサバトラ、ジャパニーズボブテイルなどいわゆる日本猫といわれる猫種も、ほとんどがダブルコートです。
他のダブルコートの短毛種と同様に、自分では毛繕いをしにくい場所を重点的にブラシをかけてあげましょう。
換毛期は毛球症になりやすい!!
毛の生え変わりが目に見えてわかりやすいダブルコートの猫。豊富に毛が抜け落ちる大変さもありますが、気をつけなければならない病気があります。
それは毛球症です。毛球症とは、毛繕いの過程で飲み込んだ被毛が胃腸に溜まり、そのまま詰まってしまう現象です。最悪の場合は腸閉塞になって命を落としてしまいます。
ブラッシングが重要なのは毛繕いのサポートだけではなく、この毛球症を防ぐ意味でも有意義なものなのです。
まとめ
抜け毛が多い猫種を5種紹介いたしました。必ずしも長毛種とは限らないのですね。例えば、ぬいぐるみのようにモフモフなラグドールは、抜け毛が少ない部類に入ります。(もちろん個体差がある)
抜け毛対策にはシャンプーも有効です。これから子猫を迎える方は、幼い頃から水に慣れさせてあげると良いでしょう。
シャンプーはどうしても無理という場合は、こまめにブラッシングをすれば大丈夫です。少々大変ですが、換毛期である3月と11月頃は毎日ケアをしてあげてください。