猫と犬の『大きな違い』4つ!記憶や言語能力など両者の個性がわかる違いとは?

猫と犬の『大きな違い』4つ!記憶や言語能力など両者の個性がわかる違いとは?

猫と犬は、昔から人間とともに暮らしてきた長い歴史を持つ動物です。ペットとして高い人気を誇る猫と犬。実はどちらも元を辿ると、同じ小型肉食動物の祖先から進化した動物なのです。嗅覚や聴覚が鋭かったり、人間と絆を育み甘えたりと、共通点も多い猫と犬。でも細かいところを見ていくと、記憶力や言語能力といった両者ごとの大きな個性の違いがあります。そんな猫と犬の違いについてご紹介していきます。

1.記憶力

猫とノート

猫と犬は、どちらも記憶力の良い動物ですが、得意とする記憶の仕方に大きな違いがあります。

猫は短期記憶に優れています。短期記憶とは、一時的に覚える必要がある記憶のこと。例えば、電話をかけるために一時的に番号を覚えることがそれにあたります。

犬の短期記憶力は10秒程なのに対し、猫は10分以上維持できます。中には10時間以上記憶できたという実験記録も。また、この短期記憶を何度も繰り返すことで、長期的に覚える長期記憶も良いです。特に、ごはんなどの興味のあるもの、逆に苦手なことや嫌なことなど、印象に残るものはしっかりと覚えます。

一方、犬は長期記憶、特にエピソード記憶に優れていると言われています。いつ・どこで・何があったのかを、その時の感情とともに長期間覚えます。

飼い犬が、いつもの散歩の時間になると楽しみで興奮しだしたり、ご飯の時間が近づくとソワソワしながら待ったりする姿を見た飼い主さんも多いのではないでしょうか。犬は、自分のその時の感情とリンクして物事を覚えるのです。

また、大好きな飼い主さんと離れてしまった場合、猫は2~3年ほどで記憶が薄れてきてしまいますが、犬は10年近く覚えることができます。

2.言語能力

犬と単語たち

犬は、人間の言葉を平均89単語覚えることができます。猫もまた、犬と同じくらいの単語を聞き分けることが可能と言われています。

特にどちらも、「自分の名前」「ごはん」といった、よく呼ばれる、あるいは興味のある言葉に反応を示します。犬は更に、「おさんぽ」にも反応を示します。

同程度の知能がある猫と犬は、言語に対する理解力もほぼ共通していますが、大きく違うのは、言語に対する表現力。犬は人間の言葉に対し、しっぽを大きく振ったり身体を動かしたりすることで、はっきりと反応を示します。

猫は、犬ほどわかりやすく人間の言葉に反応を示しません。そのため、一見言葉が通じていないようにも見えますが、実は、耳をぴくっと動かしたり、しっぽを小さく動かしたりなどして反応をしています。

もちろん、お返事しながら振り返ることもあり、猫のその時の気分によって反応が変わります。名前を呼んでも反応が無いと思ったら、耳やしっぽ、目の動きなどに注目してみてください。

3.社会性

くっついている猫と犬

社会性とは、集団社会の中で生活を営む素質・能力のこと。ここにも、猫と犬に大きな違いがあります。

犬は、群れを作って暮らす社会性のある動物。群れを率いるリーダーが存在するなど上下関係もあり、仲間とお互いに協力し合いながら生きていきます。

家庭で飼われる犬の場合は、飼い主さんをリーダーと認識します。きちんとしつけをすることで、飼い主さんの指示に従い、従順に行動をするようになるのです。

いっぽう、猫は犬のように群れは作らず、単独行動をする動物です。自分のやりたいことを優先して行動をするため、犬のように指示を聞かせることは難しく、社会性は無いようにも見えます。ですが猫にも、犬とはまた違う形の社会性があります。

野生の猫の場合、地域猫同士で集まる「猫の集会」があります。公園や駐車場など、人けの少ない場所で猫たちが集まり、思い思いに過ごします。この時、猫たちはお互いに顔合わせや情報交換など、猫なりのコミュニケーションをしていると言われています。

また、飼い猫の場合、一緒に暮らす飼い主さんや同居猫とコミュニケーションを取ることで、社会性を身に着けていきます。飼い主さんに向かって要求鳴きをしたり一緒のお布団で眠ったり。同居猫同士で毛づくろいをしたり。

自立心が高く、自由気ままな性質を持ちながらも社会性を身に着けていくのが、猫のスタイルと言えるでしょう。

4.人間との関係性

人間の女の子と猫と犬

犬はその社会性から、古代より人間の生活を支え、人間とともに長い歴史を共に歩んできました。牧羊犬や警察犬、盲導犬といった、人間をサポートする犬もたくさん存在し、それぞれの特性に合った犬種も誕生しています。

犬は、人間と主従関係を結び、ずっと寄り添ってきてくれた存在。そのため、現在における人間との関係性も、人間をご主人として懐き、時には指示にも従います。

猫と人間との関わりは、穀物を食い漁るネズミを退治するために、猫が家庭で飼われるようになったことがきっかけと言われています。

猫は、その独立心の高さから、人間と主従関係を結ぶことはありません。ネズミ対策で飼われることはあっても、どちらかといえばその可愛らしい姿から、ペットとして長年愛されてきました。

また、猫がこれまで信仰と迷信の対象になってきたことも、人間との関係性における特徴として挙げられます。古代エジプトでは神として信仰されたり、中世ヨーロッパでは、特に黒猫が魔女の使いとして忌み嫌われたり。しなやかなスタイルと、夜行性として活動する姿が、そうさせてきたのでしょう。

猫も犬と同様、飼い主さんに懐きますが、犬のような上下関係は無く、飼い主さんは対等な立場と認識しています。むしろ、その気まぐれな性格により、人間の方が猫に翻弄されていることが多いかもしれませんね。

猫と犬では、人間と築く関係性にも大きな違いがあるのです。

まとめ

犬と猫

猫と犬の個性の違いをご紹介しました。祖先は同じでも、それぞれの持つ能力や個性には大きな違いがたくさんありますね。

違いはあれど、どちらも愛しい存在であることは共通事項です。猫と犬の個性を理解した上で、日頃のコミュニケーションを大切にしながら、楽しい時間を共に過ごしていきましょう。

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