猫の『食べムラ』は病気のサイン?考えられる原因と対策5つ

猫の『食べムラ』は病気のサイン?考えられる原因と対策5つ

愛猫の食欲にムラがあることはありませんか?病気を疑って心配になるかもしれませんが、ある意外なことが原因で起こることがあるのです!今回は、食べムラが起こる原因と対策について紹介いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

「食べムラ」はなぜ起こる?

フードを見つめる猫

愛猫の食欲にムラを感じることはありませんか?つい最近まで食べていたご飯を残したり、新しいご飯になった途端食が進まなくなったり…。

実はこれ、猫の習性から起きているケースが多いのです。食べムラが起こる原因をいくつか挙げてみます。

新しいものに惹かれやすい「ネオフィリア」

猫は好奇心旺盛でありながら、ある程度の警戒心を持つ動物です。これは食事に対してもいえることで、新しいものに惹かれる気持ちと慎重に判断したい気持ちが錯綜します。

その時、好奇心のほうが強くなると食べたことのないものが無性に食べたくなります。このように、新しいものを好む習性を「ネオフィリア」といいます。

ネオフィリアが強く働いているときは、まるで飽きが来たかのようにこれまでのご飯を残すようになります。

警戒心が強くなる「ネオフォビア」

先ほどとは反対に、ストレスや警戒心が働いている場面で新しい食べ物に遭遇すると、手をつけられないことがあります。これを「ネオフォビア」といいます。

嫌な出来事がきっかけで起こる「食物嫌悪症」

例えば食事中に雷が鳴って怖い経験をした、食後に嘔吐して苦しい思いをしたなど、食事と嫌な出来事が結びついて食が進まなくなるケースがあります。これを「食物嫌悪症」といいます。

猫はかなりデリケートなので、人間よりも食物嫌悪症に陥りやすい傾向にあります。

食べない日が続くのは病気の可能性も

食欲にムラがある状態と、全く食べない状態は別物です。食事に手をつけない日が数日続くようであれば、怪我や病気を抱えている可能性があります。

特に猫の場合は、3日間絶食すると肝臓にダメージを与えてしまうため、完全に食欲がなくなってしまったら診察を受けるようにしてください。

ムラなく食べてもらうには?

食事を待つ猫

食べムラを改善するために、次のような策を講じると良いでしょう。

1.ローテーションをする

1種類のフードだけではなく、数種類のフードをローテーションすることで食べ飽きを改善することができます。イメージ的には日替わりランチのようなものです。

2.ブレンドする

1回の食事で数種類のフードをブレンドするのも良いでしょう。配合を変えたり、時々別のものを加えることで、好き嫌いや栄養価の偏りも防げるというメリットがあります。

3.ウエットフードを取り入れる

嫌な出来事がきっかけでいつものフードが進まない場合は、ウエットフードを混ぜて風味に変化を加えると良いでしょう。

ベースはいつものご飯ですが、少し雰囲気を変えることで「食べても大丈夫」という気持ちに持ち込みます。

少しずつトッピングを減らすことで、通常の食事に戻すこともできるでしょう。

4.フードの変更は慎重に

ネオフォビアが強い猫は、新しい物に抵抗を感じます。やむを得ずフードを変更する際は、ブレンド方式を活用して少しずつ新しいフードに切り替えるようにしてください。

5.落ち着いて食べられる環境を作る

食事中は無防備になります。本能的に警戒しやすい場面になるため、落ち着いて食べられる環境を整えてあげましょう。

警戒心が強い場合は、食べているところを見たり、撫でたりすることも控えたほうが良いでしょう。

まとめ

食事する猫たち

愛猫に食べムラがあると「病気なの?」と、ついつい気がかりになるものです。しかし健康状態に大きな問題がない場合や3日以上絶食状態になっていない、排便がほぼ毎日あるならば、そのほとんどは習性によるものなので、それ程心配しなくても大丈夫でした。

愛猫の状況に合わせて対処してあげてください。それでも改善しない、食欲がない日が続く、ぐったりしているなどの症状がある場合は診察を受けましょう。

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