猫の危険な『4大アレルギー』とは?その症状や原因・予防策4つ

猫の危険な『4大アレルギー』とは?その症状や原因・予防策4つ

猫にもアレルギーがあるのをご存知でしょうか?その原因は様々で、アレルゲンの特定が難しいこともあります。猫のアレルギーは、どんな症状が現れるでしょうか?予防するにはどうしたらいいでしょうか?

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.ノミアレルギー

首の後ろを掻く猫

猫のアレルギーの中でも多いのがノミアレルギーではないでしょうか。ノミに噛まれると、その部位にかゆみを感じますが、ノミアレルギーを持っている猫の場合、噛まれた部位だけでなく、全身にかゆみが起こります。

ノミがいるかどうかは、猫の被毛の根元を見るとわかります。ノミの姿は見えなくても、ノミのフンが付着しているからです。黒い小さな点々が付着していたら、ノミのフンです。

ノミアレルギーを予防するには、『ノミをつけないこと』。ノミがいることがわかったら、動物病院で駆除してもらいましょう。その後も定期的に予防薬を使用し、室内の掃除は徹底するなどの対策が必要です。

2.ワクチンアレルギー

注射器と猫

猫のワクチン接種は、病気を予防するために有効なものですが、稀にアレルギーが起こることがあります。注射によるアレルギーは、接種後すぐに現れることが多く、アナフィラキシーショックと呼ばれるものです。

血圧が急激に低下し、嘔吐や呼吸困難などの症状が見られます。早急に処置をしないと、命に関わることもある、危険なアレルギーです。

アナフィラキシーショック程の激しいアレルギーではなくても、発熱、接種部位の疼痛などのワクチンに対する副反応が起こることがまれにあります。

ワクチン接種をする前に、獣医師とよく相談し、接種当日は体調が万全かどうかも確認しましょう。接種後は、一定時間動物病院内で待機することを指示されることが多いですが、待っている間も体調に異変がないか、よく気をつけて下さいね。

なお、帰宅後に体調に異変が生じることもありますので、ワクチン接種は午前中がおすすめです。

3.食物アレルギー

餌を食べながらこちらを振り返る猫

猫は肉食動物ですが、その主食となる肉がアレルゲンとなることがあります。魚、牛肉、豚肉、鶏肉などにアレルギーを起こしてしまう猫がいるのです。ほとんどのキャットフードはこれらのものが主原料になっていますので、毎日食べている食事で、アレルギー症状を引き起こしてしまいます。

主な症状は、皮膚のかゆみや炎症です。嘔吐・下痢などの症状が現れることもあります。食物アレルギーが疑われる時は、動物病院で検査をしてもらいます。残念ながら猫の場合は食物アレルゲンを特定するリンパ球反応検査が現段階ではできません。一般的なIgE検査は可能ですので、花粉などに対するアレルギーを持っていないかを調べ可能性を除去しましょう。その後は食物のタンパク質の種類を変えながら適したフードを探します。アレルゲンが特定できれば、そのアレルゲンを含まないフードに切り替えましょう。

食物アレルギーが起こるのは、1歳頃からです。猫の食事は、色々食べさせず、決まったフードを与えていると、アレルギーを発症した場合でもアレルゲンを特定しやすくなります。また、人間の食べ物は与えないようにしましょう。

4.接触性アレルギー

黄色い首輪をつけた子猫

接触性アレルギーは、発症例は比較的少ないものの、アレルゲンとなる対象が見つけにくいので厄介です。接触性アレルギーは、猫が特定のものに触れることで、アレルギー反応が起こり、触れた部位に皮膚炎が起こります。

アレルゲンとなるものは、植物や布製品、革製品、金属、プラスチック、石鹸や洗剤、薬品など、様々。アレルギーを発症するまでに、数ヵ月~数年かかることもあり、アレルゲンの特定が難しいとされています。

接触性アレルギーを予防するには、アレルゲンとなるものに触れさせないことですが、何がアレルゲンとなっているか、わからないこともあります。日頃から、猫の様子を注意深く観察してみて下さい。首輪や食器でもアレルギーが起こることがあり、注意が必要です。

まとめ

首を掻く猫

猫のアレルギーを予防するには、アレルゲンとなるものに猫を近づけないことです。また、ストレスを抱えていたり、疲れがたまっているとアレルギーを発症しやすくなります。

飼い主との適度なスキンシップやコミュニケーションがあることはもちろん、猫が安心して穏やかに暮らせる環境にしてあげることも大切です。

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