猫と人間の『歯の違い』とは?構造や口腔環境・猫のよくある歯の病気・予防策など3つ

猫と人間の『歯の違い』とは?構造や口腔環境・猫のよくある歯の病気・予防策など3つ

実は飼い猫は口腔トラブルが多く、深刻なことも多いのです。その一方で猫は「虫歯と無縁」ともいわれます。「人と猫が違うことは分かるけど、ではいったい猫は何に悩んでいるの?」ここでは猫が歯について何に悩まされ、どう予防すればいいのかご紹介します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

人と猫の歯の違い

口を開ける猫

歯は持ち主の食生活を表します。植物が主食の人の奥歯は、植物の細胞をすり潰して中の栄養を取り出せるよう臼(うす)のような形です。

一方、肉が主食の猫の奥歯は、獲物を適度な大きさにカットするのが主目的。植物ほどすり潰さなくても十分栄養がとれるので、ナイフのような形になりました。

猫に虫歯ができにくい理由

食事中の親子猫

人は主食を早く消化吸収できるよう、口の中にデンプン分解酵素を持っています。つまり食べた瞬間デンプンの消化が始まるため、分解されたブドウ糖などの糖分が大好きな虫歯菌が繁殖しやすくなりました。

一方たんぱく質が主食の猫は口腔内にデンプンの分解酵素をほぼ持っていないので、デンプンを食べても口腔内では糖ができません。さらに唾液自体が虫歯菌の嫌うアルカリ性なので、猫は虫歯ができにくいのです。

猫のよくある歯の病気とは

歯の診察をされる猫

猫の口腔トラブルで多いのは「歯周病」です。歯周病とは、食べた残りが口に残って歯垢や歯石に変化し、歯周ポケットに歯周病菌が繁殖して炎症が起こり、歯がグラグラになったり抜けたりする病気です。(歯自体を侵していく虫歯菌とは異なります。)

歯ぐきの腫れや出血、きつい口臭や大量のよだれだけでなく、歯の痛みでフードを食べなくなります。酷くなると頬に穴が開いたり、鼻まで炎症が広がって鼻炎を起こしたりする怖い病気です。

口腔トラブルの予防策

歯ブラシする猫

猫の口腔内は歯周病菌が増えやすく、歯石のできるスピードは人の約3倍!しかもできた歯石は簡単には取れません。

そのため、歯周病予防には「歯石を付けないこと」「付いた歯石は除去すること」がポイントになってきます。

1.ドライフードを食べさせる

ウエットフードにはメリットがたくさんありますが、食べかすが口に残り歯石が付きやすいというデメリットもあります。その点ドライフードは食べかすが残りにくく、歯磨き効果も多少ながら見込めます。

もしウエットフードがメインの食事なら、オーラルケアのドライフードをプラスして少しでも食べかすを残りにくくしてあげましょう。

2.歯磨き

人の虫歯も猫の歯周病も予防の基本は歯磨きです。方法が分からないときは動物病院に相談を。

どうしてもダメな場合は、粉末やリキッドタイプのデンタルケア用品がおすすめです。

3.歯石除去

歯石は動物病院で全身麻酔の上、除去します。歯の奥まで歯周病が進んでいる場合には、歯を抜くこともよくあります。しかし全身麻酔にはリスクが伴いますので、毎年行うような治療ではありません。

体調が心配なときには麻酔はかけず、金属のスケーラーで歯石を掻き取ることも。細かい作業ができない上、歯周病菌の繁殖している歯周ポケットの掃除はできないので、こちらは目立つ歯石を取るだけになってしまいます。

まとめ

歯ブラシする子猫

野生なら骨や羽が歯磨きの役目を果たしますが、食べやすく余計なものが入っていないキャットフードでは逆に食べかすが残ってしまいます。

できれば歯磨きの習慣を付け、できないときはお口周りのチェックを怠らず、(歯周病かな?)と思ったら迷わずドクターに相談しましょう。

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