オスの発情期はメス次第
実はオスの発情はメスがいないと起きません。もっと正確に言うと、発情するのはメスで、オスはメスの発情に反応して交尾相手を見つけたり自分をアピールするための様々な行動を起こすことになります。発情しているメスのフェロモンや鳴き声によって、いつでもオスのそのような行動のスイッチが入ります。
スイッチが入れば大きな声で鳴き、あちこち縄張り宣言(スプレー)をして自分の存在をメスにアピール。さらに執拗に脱走のチャンスを狙い、成功すればまっしぐらにメスにアタックしにいきます。
メスが発情期を迎えると?
メスの妊娠サイクル
猫は日照時間が長い時期に発情し、暖かい時期に子育てするようにできています。早春から秋口にかけてが猫の繁殖期で、その時期に休憩を挟みながら発情周期を繰り返します。
しかし最近は室内や町中で常に明るい光にさらされるため、発情期がずれたり一年中発情期が見られたり、年に3回妊娠したりする猫もいます。
発情期間中のメスの行動は?
メスはこんな行動でオスを誘います。
- 大きな声で鳴き続ける
- トイレ以外でおしっこする(スプレー)
- 仰向けでくねくねする
- 顎や頬をこすりつける
- お腹を床につけお尻を高く持ち上げる
そして相手を求めてしきりに外に出ようとするのです。
ずっと大鳴きしているの?
オスを誘う呼ぶために大鳴きをするのは、オスを受け入れる前の発情前期からオスを受け入れる発情期にかけてで、平均的には10日~2週間程続きますが、この期間が数日だけのこともあれば数週間続くこともあります。
そして発情期にオスに出会わず妊娠しなければ2~3週間の発情間期(休憩の期間)に入ります。そしてまた発情前期、発情期を迎えて大鳴きする…。
これが、春から秋にかけて繰り返されるのです。
発情期を迎えたときの禁止行為3つ
1.叱る・怒る
本能によるものですから叱っても効果はありません。まして体罰などもっての外です。
2.外に出す
鳴き声がうるさいからと外に出すと、迷子や怪我、感染症のリスクがあります。
3.またたびの使用
いつもと同じ使い方ならもちろんOK。しかし鳴くのを黙らせることができるかどうかは分からず、逆に余計に興奮してしまう猫もいるようです。またたびを使いすぎると猫の健康に悪影響があるとの記事を多く見かけますが、科学的に示された根拠は今のところありません。
発情期を乗り越えるには?
1.繁殖させるなら
繁殖を考えるならすぐに発情期を迎える前から適切な相手を探しましょう。いいお相手が見つかって交尾・妊娠すれば、メスの発情に伴う行動は治まります。
2.去勢・避妊する
オスはいつでもすぐに手術を受けられますが、性ホルモンの影響はすぐにはおさまりません。もし現在発情に関連した問題行動があるなら、しばらく我慢が必要です。尿スプレーをし始めたオス猫は、去勢後も学習した行動として尿スプレーをし続けることが多くあります。
一方メスは発情期中の手術は出血量が増えるため、できれば発情が終わってしばらくしてからや発情期が来ない時期に手術をする方が良いでしょう。我が家は1回目の発情期が過ぎるのを待って手術しました。
もし手術するなら、オスメスいずれの場合も性成熟を迎える前の時期が、さまざまな意味でおすすめです。
3.ご近所へご挨拶
発情期の猫の赤ん坊の泣き声にも似た大きな声は、特に夜中はよく響きます。虐待を疑われたり騒音被害を訴えられたりする前に、ご近所に事情を説明し理解を得ておいた方が良い場合もあるでしょう。
4.事前のスプレー対策
発情期にはスプレー行為への対策にも苦労します。スプレーされて困るものにはあらかじめ防水シートやペットシーツをかけておきましょう。また最近は猫用おむつも充実していますので、一時利用を検討してもいいですね。
まとめ
発情期は猫にとって自然な生理現象です。飼い主さんは知識だけでも頭に入れ、事前にどうするのか、避妊や去勢手術を受けるのか、いつ受けるのかを決めておくといいでしょう。
しかし、もし決めていた時期に手術をする前にメス猫の発情期が来てしまったら、まずはいったん受け入れて、発情期が終わってから避妊手術を受けさせましょう。子猫なら「順調に育ったね」とお祝いするのもいいですね。
避妊や去勢手術をいつするのかも、発情に関する問題行動にどう対処したら良いのかも獣医さんに相談すると良いでしょう。