猫のしっぽの構造
猫のしっぽは「尾椎」という骨が並んでできています。尾椎の数はしっぽの長さで異なり、長いしっぽの猫の尾椎は約20個です。尾椎と尾椎の間に隙間がありくねくねと動かすことができ、さらに、12個の筋肉によって前後左右に細かく動かすことができます。
そして、しっぽは背骨の中を通る神経である脊髄と連結していてデリケートな部分なので、しっぽを触られるのを嫌がる猫もいます。引っ張ったり強く触ったりすると内臓に障害が出る場合もあるのです。
猫のしっぽの役割
- 逆毛を立てて体を大きく見せる
- 体に沿わせて体を小さく見せる
- 遊びや喧嘩などの合図
- 自分のにおいをつける
- 顔や前足を隠して寒さを和らげる
- バランスを保つ
猫のしっぽにはこのような役割があります。猫同士では、しっぽを使って自分の気持ちを表現しているのです。また、しっぽを振ることで骨盤の位置を調整してバランスをとっています。
しかし、猫によってしっぽの長さは様々で、しっぽがない猫もいます。猫の身体能力は高いのでしっぽがなくてもバランスをとることは可能で、日常生活を送る上で特に大きな問題はありません。
しっぽの動きでわかる猫の心理
1.甘えたい・うれしい
猫が飼い主さんに向かってしっぽをピンと立てて歩いてくるとき、猫は「甘えたい」「うれしい」という気持ちでいます。もともとは子猫が母猫にお尻をなめてもらうためにしていた仕草ですが、親しみを感じる相手に対してもします。
2.威嚇・驚き
自分の縄張りに知らない猫などが侵入したとき、全身の毛を逆立てて体を大きくして威嚇をします。しっぽの毛も逆立ち膨らみます。威嚇以外にも何かに驚いたときや怖がっているときにもしっぽの毛が逆立つことがあります。
3.恐怖
猫がしっぽを足の間に入れたり、体に沿わせたりしているときは「恐怖」を感じています。体を小さく見せて自分が弱いことをアピールしています。
4.喧嘩をしかけたい・遊びたい
相手に喧嘩をしかけようとしているときや、仲の良い猫に遊びのサインとして、しっぽの先だけ下を向けるときがあります。
5.行動すべきか悩んでいる
何かを見つめながらしっぽをゆっくり振っているときは、気になるものに対して行動を起こそうか悩んでいるときです。
6.イライラ
しっぽを左右にブンブン振る、床に叩きつけるように振るとき、猫はイライラしています。
猫を抱っこしているとき、爪切りをしているときなどにしっぽを激しく振ったら、猫が我慢の限界がきているという意味です。猫が怒って攻撃をしてくる可能性もあるので一度構うのをやめましょう。
まとめ
猫のしっぽは背骨から続くデリケートな部分です。体のバランスをとったり、気持ちを表現したり、様々な役割があります。しっぽの動きでその時の猫の気持ちがよくわかります。
愛猫がどのような気持ちでいるのか確かめる参考にしてみてください。