真菌が原因
クリプトコッカス症とは、「クリプトコッカス」という真菌が原因で起きる病気です。クリプトコッカス症の原因には、「クリプトコッカスーネオフォルマンス」と「クリプトコッカスーガッティ」という2種類の菌があります。
これらの菌は土の中や鳥のふんなどにいるため、猫が土いじりや鳥のふんの匂いを嗅ぐなどすると感染してしまう可能性があります。クリプトコッカスはわずか5ミクロン(1000分の5mm)以下の大きさで空中を舞うため、気が付かないうちに猫が吸い込み感染してしまうことも。
健康な猫はたとえ感染したとしても、発症しないことがほとんどのようです。しかし、子猫や高齢猫、持病があるなどの免疫が弱い猫は発症する可能性があるため、予防するに越したことはありません。
また、飼い主さんの免疫が弱っていると、感染した飼い猫から移る可能性もあるようです。
クリプトコッカスに感染してから症状が出るまでは、数ヶ月以上の時間がかかるため、どこで感染したかを調べるのは難しいといわれています。感染を予防するには完全室内飼いにし、ベランダに鳥のふんがある場合はしっかりと掃除するか、猫を出さない方がよいでしょう。
「クリプトコッカス症の症状」
猫がクリプトコッカスに感染したときの症状はいくつか考えられますが、代表的なものをお伝えいたします。
鼻水やくしゃみ、鼻詰まり
まず、鼻水やくしゃみといった鼻炎の症状がよく見られるようです。これは、鼻腔内にクリプトコッカスの病巣ができる場合が多いためだと考えられます。
鼻炎の症状だけでは、猫かぜやアレルギー性鼻炎など他の病気だと勘違することも。鼻水やくしゃみなどの症状がある場合は放置せず、早めに動物病院を受診した方がよいかもしれません。
症状がひどくなると鼻が変形してしまったり腫れたりして、顔自体が変わってくることがあるようですので、早めの対処をした方がよいでしょう。
皮膚に膿が出る
クリプトコッカス症になると、皮膚に症状が出ることもあります。小さな発疹やしこりができ、膿む場合も。
鼻から吸引して全身に広がった場合は、症状が全身的に見られることがあるそうです。
検査で診断
クリプトコッカスの診断には、血液検査やX線検査、針穿刺吸引などさまざまな検査があるのだとか。どの検査を行うかは、病状などから獣医師の判断で行われると考えられます。
投薬治療
クリプトコッカスの治療には、「抗真菌薬」を使用するようです。数ヶ月は投薬が必要で、1年程度投薬をすることも。再発もよくあるようです。
脳や神経にクリプトコッカスが広がってしまった場合は、薬の効果が十分に行き届かないため治療が難しいことがあるそうです。
まとめ
クリプトコッカスは治療に時間がかかり、再発もあるということで感染しなければそれがベストだと考えられます。予防に努めるのが、一番の方法ではないかと思われます。