猫の「ストレススコア」とは?
猫は言葉を話すことができません。その代わり、姿勢や表情を通して気持ちを伝えてくれます。
ストレススコアとは、その時々の心境(ストレスの度合い)を推し量るための指標で、1994年にアメリカのSandra McCuneが考案しました。
ストレスチェックをしてみよう!
ストレススコアは7段階あります。
各段階ごとの様子から、愛猫のストレス度をチェックしてみましょう。
1.非常にリラックス
ストレスや緊張、警戒心がほとんどない状態です。
- 仰向けになって眠る(通称ヘソ天)
- 横座りをする
- とても静か(声を発しない)
- しっぽが伸びている(ゆっくり動かすことも)
全体的に、だらんと脱力した印象を受けます。
ただし、お腹を出していても撫でてほしいわけではないので気をつけましょう。
2.「ややリラックス」
1ほどではありませんが、こちらも穏やかな気持ちで過ごしている状態です。
- 香箱座りをしている
- ウトウト眠ることがある
- うっとりした表情で見つめてくる
- 声をかけると返事をしてくれる
飼い主さんに対しては警戒していないので、顎の下に手を近づけてみてください。
スリスリしてきたら撫でてあげましょう。
3.「やや緊張」
少し緊張が見られますが、普通に起きている時の状態と同じです。
- すぐに動けるスフィンクス座りをする
- お座りのポーズの場合もある
- しっぽは体に密着させていることもある
- 声はあまり発したいか普通の鳴き声程度
猫の通常モードと捉えましょう。
警戒心のレベルは高くないので、近づいても大丈夫です。
4.「非常に緊張」
すぐに動けるようにスタンバイしている状態です。
- 4本の足が全て地面に着いている
- 黒目(瞳孔)が大きくなっている
- 耳が盛んに動く
- 周囲をよく観察する
家の外が騒がしかったり、見慣れない来客があるとこの姿勢になります。
緊張しているので、距離をとって見守りましょう。
5.「怖がっている」
緊張感に加え、何かに怯えている状態です。
- 身を低くし、できるだけ小さくなる
- 黒目がかなり大きくなる
- 唸り声をあげる
身を縮めるのは「小さいから勘弁して」というアピールです。
猫社会では、小さくて弱い相手は攻撃しないという掟があるのです。
人間もむやみに近づくのはやめておきましょう。
6.「非常に怖がっている」
5よりもさらに恐怖を感じている状態です。
- 耳を横に寝せる(通称イカ耳)
- 伏せのポーズを取っている
- その場を動かずじっとしている
- ウロウロと動き回ることもある
強い不安も感じているため、鳴き声も不安そうなものになります。
目を見つめられると余計に恐怖を感じてしまうため、目を逸らして遠くから見守るようにしましょう。
7.「恐れおののいている」
警戒心・不安・恐怖全てがMAXの状態です。
- 全身の毛が逆立つ
- 体が震える
- 耳は極限まで寝せる
- 瞳孔が最大限に開く
- 「ウー」「シャー」と鳴く
たとえ飼い主さんでも、無理に撫でようとすれば攻撃されてしまいます。
声かけも恐怖をあおってしまうため、身を小さくして遠くから見守りましょう。
目を合わせることも控えてください。
猫が怖いと感じるもの
普通の生活をしていれば、スコアが7に達することはあまりないかもしれません。
ただ、猫は繊細なので5や6になることはよくあります。
そもそも猫は何に苦手意識を持つのでしょうか。いくつか例を挙げてみます。
- 突然の物音(くしゃみインターホンなど)
- 慣れない来客があること
- 強めのスキンシップを図ろうとする人
- 声が大き人動作が大きい人
- 声が低い人
猫にとって人間は巨大な猫です。身振り手振りが大きいと警戒してしまいます。
音にも敏感なので、声が大きい人も苦手です。
さらに、低い声は威嚇の声と誤解されてしまいます。
まとめ
猫のストレススコアを紹介いたしました。
ヘソ天までは難しくても、頻繁に横座りや香箱座り座りをしてくれるのであれば、リラックスしている証です。
愛猫が苦手なことをせず、しつこく構わなければ嫌われることはありません。
それでも何かに驚いた時は、かなりの警戒モードに入ります。
そういう時は、落ち着くまでそっと見守ることが大切です。
猫のボディランゲージは全ての猫に共通しています。
はじめましての猫に遭遇した際も、ストレススコアを参考に距離感を検討してみてください。