「またたび」とは?
またたびとは、山林に自生するマタタビ科の植物のことです。
漢字では「木天蓼」と書きます。
身近なところではキウイがマタタビ科に属しており、枝や根、葉っぱに反応する猫もいます。
どのような効果があるの?
酔いしれるほど猫に好まれるまたたび。一体どのような効果があるのでしょうか?
主な成分と一緒に紹介いたします。
猫が反応する3つの成分
- マタタビラクトン
- アクチニジン
- β-フェニルエチルアルコール
これら3つの成分が中枢神経を刺激することで、独特な反応を見せてくれます。
ちなみに、β-フェニルエチルアルコールは天然の香料です。
バラのような香りがするもので、飲むアルコールとは異なります。
効果は人間の飲酒に似ている
一般的なアルコールとは違いますが、効果を分かりやすく説明するのなら飲酒に似ています。
よく保健体育の教科書に「適度な飲酒は食欲増進、ストレス発散など…」という文言が載っていますがまさにこれです。
猫は微量のまたたびを摂取することによって、ストレス緩和・食欲増進・老化防止などの効果が得られます。
またたびの適量(微量)とは、耳かき半分程度の量です。
過剰に摂取すると酷く興奮してしまうので、必ず用量を守ってください。
猫がまたたびに反応する仕組み
こちらでは、猫がまたたびに反応する仕組みをみていきましょう。
匂い成分をヤコブソン器官が拾う
猫の上顎にはヤコブソン器官という特殊な器官があります。その役割は「匂いの分析」です。
またたびに含まれる匂いをヤコブソン器官でキャッチして、中枢神経で反応を起こします。
独特な動きは中枢神経の麻痺
匂いに酔いしれた脳は、軽い麻痺を起こします。例えるなら、ほろ酔い状態になると笑い出すようなものです。
麻痺といっても一時的なもので、依存性はありません。
猫がまたたび依存症になることはないので安心してください。
またたびの活用術
日常生活でまたたびを取り入れるとしたら、どのように活用すると良いのでしょうか?
上手な活用術をいくつか挙げてみます。
1.キャットフードにふりかける
猫はとても繊細な動物です。ご飯が新しくなったり、環境が変わると食欲が落ちてしまうことがあります。
そういう時は、微量のまたたびをふりかけてみてください。
それでも食欲不振が続く場合は、体調不良を疑いましょう。
2.水に混ぜる
猫は水分補給が苦手です。特に寒い冬場は他の季節以上に水を飲まなくなってしまいます。
すると、膀胱炎や尿路結石を発症しやすくなります。
またたびは水に入れることも可能なので、香り付けとして加えてみると良いでしょう。
3.爪とぎ器やおもちゃにふりかける
新しい爪とぎ器やおもちゃにかけても良いでしょう。興味を持つきっかけになりますし、爪をとぐ場所も覚えてもらえます。
無反応な猫がいるのはなぜ?
お酒に強い人と弱い人がいるように、またたびも反応してくれる猫とそうではない猫がいますよね。
その違いは何なのでしょうか。
性的に未熟な猫は反応しない
匂いをキャッチするヤコブソン器官は、猫が放つフェモロンを感知する場所でもあります。
またたびによってヤコブソン器官が興奮することは、性的な興奮にも通ずるため、生後6ヶ月未満の子猫には効果がありません。
さらに避妊・去勢手術の時期が1歳未満で、発情の経験がない猫もまたたびに対して反応がない場合があります。
まとめ
またたびへの反応の有無は、発情経験の有無と関連があることが分かりました。
1度も発情経験がないと、全く反応を示さないことがあるようです。
そう言われてみれば、あのクネクネした動きが発情期のメス猫にそっくりですよね。
愛猫がまたたび好きであれば、日常生活のちょっとした場面で役立ちそうです。
くれぐれも与えすぎに注意しながら、またたびのある生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。