玉ねぎ中毒の症状
玉ねぎは猫に重度の貧血を引き起こすことで有名です。
玉ねぎに含まれる独特な辛みやにおいのもと、そして人間にとっては美味しさや健康のもとである「アリルプロピルジスルフィド」という有機硫黄化合物が猫の赤血球を破壊するからです。
症状としては、
- 下痢
- 嘔吐
- 発熱
- ぐったりする
さらに進むと、
- 血尿
- 唇などの粘膜が白くなる
- 極度の衰弱
- 黄疸
などが出てきます。
飼い主さんがすべき対処とは
もし症状が全く見られなくても、赤血球の破壊は少しずつ進みます。
それを少しでも食い止めるために一刻も早く病院へ連れて行きましょう。
そのために、必要な対処法が以下の2つです。
1.何を食べたか特定する
まずはざっと状況確認です。
愛猫が食べたものや食べた時間、量も分かればそれもチェックしておきましょう。
2.先に連絡を入れて病院へ
1.の確認が済んだらすぐ病院に連絡を。
先に連絡を入れておけば、待合室で待ったり説明をしたりする必要がなく、病院側も準備の時間を稼げます。
玉ねぎ中毒の治療内容
タマネギ中毒による猫の貧血は「溶血性貧血」といわれるものです。
猫の体内ではアリルプロピルジスルフィドによって赤血球が壊れたり変質したりして、使える赤血球の数がどんどん減っていきます。
しかし解毒剤のような特効薬がないため、以下のような指針で処置を進めます。
中毒成分の吸収を抑え、排出を促す
食べたものがまだ胃にある場合、薬で吐かせたりや胃の洗浄をしたりして内容物を除去します。
胃を通過している場合には、活性炭を飲ませて成分を吸着させたり、輸液をしておしっこの量を増やし排出を促したりします。
症状に合わせた対症療法
前者の対処後も赤血球の数の回復には時間がかかるため、体力を低下させないようその都度手当てを行います。
貧血がひどいときには輸血をすることもあります。
玉ねぎは化ける?その避け方は?
玉ねぎをそのままかじる猫はいなくても、たまたま口にすることはあり得ます。
例えば玉ねぎスライスに乗った鰹節と一緒に飲み込むかもしれません。
また玉ねぎの中毒成分は火を通しても消えませんし、味と香りがマイルドに変化します。
玉ねぎの怖さはこの点で、例えば肉団子やハンバーグなどは肉のにおいで猫の食欲を誘います。
クリームシチューやチキンスープも同様です。さらにベビーフードにも玉ねぎがたくさん使われています。
元気な猫がいる家庭では、これらの盗み食いには要注意です。
また食卓のもの(人の食べるもの)に興味を持たせないよう、しつけることも大切です。
まとめ
赤血球が壊れて重度の貧血を引き起こす玉ねぎ中毒。これを避けるには、形を変えた玉ねぎの危険性を認識することが第一です。
また中毒物質の怖いところは個体差・年齢・体調などの条件で同じ量でも症状が変わることです。
「少しだから大丈夫」ではなくて「ひとかけらも食べさせない!」というくらい、神経質になってもいいのではないでしょうか。