猫の再発リスクが高い『膀胱炎』とは?症状や原因・治療法・予防策4つ

猫の再発リスクが高い『膀胱炎』とは?症状や原因・治療法・予防策4つ

我が家の猫はここ1年で膀胱炎に2回かかり、今まさに3回目を治療中です。うちの子の場合は再発し過ぎですが、膀胱炎は約半数が1年以内に再発するともいわれます。原因は何なのか、またその治療や予防法は?タイムリーな我が家の猫の症状とからめ、膀胱炎のあれこれをご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

膀胱炎の症状は?

トイレを出る茶トラと入ろうとするキジトラ

我が家の場合、普段通りに過ごしていた猫が、いきなり異常行動を始めます。

  • トイレでしゃがむ時間が長い
  • トイレに何度も出入りする
  • ときどき不満そうな声で鳴く
  • 何度もトイレの砂をかく
  • 尿は出てもほんの少し
  • 血尿が出たこともある

尿は出ているため膀胱内は空ですが、残尿感を解消するため何度もトイレにしゃがみます。

そしてそのうちトイレではダメだと思うのか、

  • 部屋中を鳴きながらさまよう
  • あらゆるところでオシッコを試みる

など典型的な膀胱炎の症状が続きます。

膀胱炎の原因

トイレとピンクのスコップとベンガル

細菌性

何らかの原因で膀胱に細菌が侵入し、炎症が起きるケースです。

シニアに比較的多い理由は、免疫力の低下などが考えられます。

尿路結石

尿の成分が固まって結晶化し、それが粘膜を傷つけて炎症が起きるケースです。

さらに石が尿路に詰まると、急性腎不全や尿毒症を起こして数日中に命を落とす可能性が出て来ます。

原因不明

検査で細菌も結晶も結石も見つからないケースは「特発性膀胱炎」と呼ばれます。

猫に多い膀胱炎で、ストレスが原因ではないかといわれています。

膀胱炎の治療法

診察を受ける長毛猫

まず尿検査やエコー、レントゲンなどで原因を探ります。

原因が分かれば炎症を抑えるために消炎剤を、細菌の場合は抗生物質を使います。菌や結晶を洗い流すために、輸液を行うこともあります。

表面的にはそれでいったん治まりますが、根本的な治療はまた別です。

結石が尿道をふさいでいる場合は、すぐに取り出す手術が必要です。

また膀胱内に貯まった石は、再度粘膜を傷つけないよう取り除かなければなりません。

ストルバイト結晶なら薬や食餌療法で石を溶かして治します。

しかしシュウ酸カルシウム結晶の場合は食事だけでは溶けないため、ひどくなった場合治療は外科的なものに限られます。

膀胱炎の4つの予防法

蛇口から水を飲む白猫

膀胱炎予防のポイントは、尿をしっかり外にだすこと。

しっかりと適量を排尿してくれれば、細菌の繁殖や尿成分の結晶化を防ぐことができるからです。

そしてそれには4つのことに気を配らなければなりません。

1.積極的な水分補給

水飲み場を増やす・ぬるま湯やスープを飲ませる・ウエットフードの割合を増やすなどが、無理なく水分を摂らせる方法としておすすめです。

2.快適なトイレ

きれいに保つのはもちろんですが、トイレの形や砂、置き場などは年齢が上がるにつれて好みに変化が出てきます。

環境そのものも変化しますので、ときどき見直すことが大切です。

3.バランスの良い食事

結晶化には食事が大きく関係するといわれます。

年齢に合ったフードが健康を守るのは、膀胱炎予防でも同じです。

4.適度な運動

適度な運動は体力を保つだけでなく、血の巡りをよくして尿意も促します。

若い猫なら思い切り、高齢猫なら無理のない範囲で遊んであげましょう。

まとめ

頭を撫でられる猫のアップ

我が家の猫は高齢かつ持病があり、再発は仕方ないのかもしれません。

しかし前回同時期に別の友人の若い猫5匹が次々膀胱炎になりました。

これをみると季節性もあるようで、残念ながら100%の予防は難しいのが現状です。

しかし確率を下げることは可能です。

あとはいち早く予兆に気付くこと。

そしてできるだけ早く病院へ連れて行き、愛猫の辛さを1分でも早く取り除いてあげてください。

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