誤食の対処と手順
1.「いつ・何を・どのくらい」かを素早く確認
まず大切なのは事実確認です。ドクターが治療で必要とする情報は、以下の3つ。
- いつ
- 何を(ミルクやビターなどチョコレートの種類)
- どのくらい食べたか
特にチョコレートは種類(カカオの含有量の違い)によって症状の出方が変わるので、「何を」「どれくらい」食べたかはとても重要です。
2.猫の様子を観察
次に猫の状態を(いつもと違う様子はないか)確認します。
3.確認結果をすぐ動物病院へ報告し指示を仰ぐ
上記1.2.を確認したらすぐにドクターに連絡です。とにかく早く正確な情報を伝えて「獣医師」の指示を仰ぐこと!
電話口でもたつくのは時間のロスですので、分からないことは分からないと伝えることも大切です。
こんな場合はすぐ病院へ!
- 落ち着きがない
- 嘔吐
- 呼吸が速い
- 震え
- 失禁
- 意識がもうろうとしている
など、普通でない症状が起きている場合にはすぐ病院へ。
また明らかにチョコレートを食べた場合は、直ちに病院へ連れて行きましょう。
中毒症状は酷いときには30分、もしくは少し時間がたって遅れて出ることもあります。発見が早ければ胃の洗浄やなるべく吐き出させて対処します。
しかし遅れれば処置も大がかりになり、量によっては一両日中に落命することもあり得ます。
中毒の主原因は「テオブロミン」
猫のチョコレート中毒は、実はカフェインに効果がよく似た「テオブロミン」が主原因です。
テオブロミンは猫の体重1kgあたり約20mgで軽度の中毒症状を起こし、40~50mgなら重度、100~200mgなら食べた猫の半数が命を落とすといわれています。(個体差が大きかったり、文献によって中毒量や致死量には幅がありますのであくまで参考値の一つです)
具体的な量はどのくらい?
テオブロミンはカカオの量に比例します。
例えばカカオ86%のチョコレートなら、2cm角の板チョコ2.5gでだいたい25mg、41%なら7mg程度含まれています。
これはパチンコ玉なら約4コ分の大きさです。
ハイカカオの板チョコを猫が口にするとは思えませんが、チョコボールなら分かりません。
また空腹時には消化吸収が早まるので、何mgなら安全だともいえません。実際事故が起きているのですから、油断は絶対禁物なのです。
まとめ
包み紙の影響なのか、バレンタインデー時期に事故が増える傾向があるのだとか。
中毒予防は「食べさせない」のはもちろんのこと、「猫の好奇心をくすぐらないこと」も大切かもしれません。
しかしどんなに気をつけても、それを超えてくるのが猫というもの!
もし中毒が疑われるときは、可能な限り落ち着いて一刻も早くドクターにつなぎましょう。