猫の『体調不良』を早く知る方法はある?5つのチェック項目

猫の『体調不良』を早く知る方法はある?5つのチェック項目

猫の不調を見抜くのは至難の業ですが、ポイントを押さえるといち早くSOSに気づけるようになります。今回はチェックしてほしい項目について詳しく解説いたします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の体調不良は気づきにくい

隠れる猫

猫は、本能的に体調が優れないことを隠そうとします。

飼い主さんを信頼していないのではなく、野生の名残りがそうさせてしまいます。

野生で弱っていることを悟られるということは、天敵に襲撃されて命を落としてしまうからです。

そして安全な家猫にもそのような本能が備わっています。

愛猫と話ができれば「もしかして」と疑うことができるのですが、残念ながら会話を通して様子を伺うことはできませんよね。

このように、猫の不調は見抜くのが難しいのです。

病院へ行った頃には思った以上に症状が進んでいることも珍しくありません。

いち早く気づく方法がある!

メモをとる猫

「もっと早く気づいていれば…」と後悔した経験はありませんか。

実は、日々の生活の中にいち早く気づくヒントが隠されているのです。

ここではチェックしてほしい5つのポイントを紹介いたします。

1.食欲はありますか?

猫は体調が悪いと、食べずにじっとしていることが多いです。水もあまり飲まなくなってしまいます。

愛猫の食欲は、今日も普段通りですか?

食欲が落ちているようであれば、次に紹介する項目も気にしてみてください。

2.元気ですか?

猫が元気な状態とは、行動パターンが普段通りということです。

猫はルーティーンを決めて生活しています。

そのため、愛猫の1日の動きが分かると、その日元気があるかどうかを判断しやすくなります。

食欲はないけれど元気があるようであれば、もう少し様子を見てください。

あまり元気ではないかもしれないと思ったら、さらに確認してほしいことがあります。

明らかにぐったりしている、隠れて出てこないなどの異変があればすぐに診てもらいましょう。

3.尿や便の状態

愛猫の尿や便に異変はありませんか?

猫は元々砂漠地帯で生活していた関係で、オシッコのトラブルが起こりやすい傾向にあります。

量が極端に少ない・血尿になっている・ダイヤモンドのようなキラキラしたものが混ざっているなどがあれば、食欲や元気の有無を問わず、すぐに受診してください。

便は焦げ茶色で、袋の中で潰しても崩れにくい程度が正常です。

色が緑や黒、赤などの異常な色になっている・下痢をしているなどの症状があれば診てもらいましょう。

子猫や高齢の猫が下痢をしている場合、衰弱死を招く恐れがあります。夜間の場合は、夜間救急に頼るようにしましょう。

4.全身の状態

スキンシップを取る際に全身を満遍なく撫でて、痛がる場所がないか確認してください。

いつもは喜ぶ場所を撫でても嫌がる場合は、何らかの不調を抱えている可能性があります。

また、毛並みの様子・ネバネバした目やにがないか・耳が汚れて臭っていないか・お尻が汚れていないかなどもチェックしてみてください。

5.異臭がないか

猫は毛繕いをして臭いを消しています。

猫から獣臭がしないのは、常に清潔にしているからなのです。健康な猫には体臭がありません。口臭はキャットフードの匂いがする程度です。

鼻をつけて挨拶をする際に、さり気なく全身の匂いをチェックしてみてください。

普段とは明らかに異なる異臭があり、他の項目でも当てはまることがあれば早めに診てもらいましょう。

猫はどのくらい水を飲む?意外な落とし穴

水を飲む猫

砂漠にはほとんど水がないため、家猫もあまり水を飲む習慣がありません。それでも生きられる体になってしまっているのです。

ただし、腎臓病になりやすいという弊害があります。

では、たくさん飲んでいれば安心なのでしょうか。

実は、これが意外な落とし穴なのです。飲みすぎていても、腎臓病や糖尿病の疑いがあるのです。

1日あたりの飲水量の目安を紹介いたします。環境にもよりますが、これ以上飲んでいたら要注意です。

  • 体重3kgの猫: 約160ml
  • 体重4kgの猫: 約200ml

まとめ

抱かれる猫

猫は言葉を語ることはできません。それでも体は語りかけてくれます。

お世話をする中で、今回紹介したようなことをチェックしてみてください。

その他にも、飼い主さんが「いつもと違う」という違和感に気づいたら、その勘を大切にしましょう。

上手に言葉が操れない赤ちゃんの鳴き声を頼りにお母さんが異変に気づくように、猫の些細な異変に気づけるのは飼い主さんだけなのです。

気になることがあれば、かかりつけの獣医さんに相談しましょう。

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