1.甲状線機能亢進症
甲状線とは喉の近くにある器官で、甲状線ホルモンを出すことで体の新陳代謝を活発にする他、体温の調節、心臓や腸の働きを活発にするなどの重要な役目を担っています。
この甲状線ホルモンの分泌が不活発な状態はよくないですが、逆に過剰に分泌され過ぎるのも猫の体にとってはよくありません。
甲状線機能亢進症は、このホルモンが過剰に分泌されてしまう病気です。
猫がこの病気にかかると新陳代謝のバランスが崩れ、抜け毛が多くなったり心臓・肝臓などの臓器に悪影響を及ぼしたりもします。
この病気は8歳以上のシニア猫によく見られるものですが、厄介なのは甲状線機能亢進症を患っていても、一見とても元気に見えるということです。
これは新陳代謝が異常に活発になることで起こるもので、猫は食欲もありとても元気なため、飼い主はこの病気に気づくにくいのです。
もし飼っている猫が、シニアに相当する年齢にも関わらず非常に落ち着きなく動いている、もしくは食欲旺盛なのに体重が減っていくなどの症状が見られたなら、甲状線ホルモンが異常を引き起こしている可能性があります。
2.糖尿病
糖尿病も、猫が気をつけなくてはならない病気の一つです。
これは人も猫も同じですが、生物には食べ物から得た糖分をエネルギーに換えるしくみが体内に備わっています。
そしてその糖をエネルギーに変換するために必要なのが、膵臓という臓器が出すインスリンという成分です。
しかし糖尿病になるとこのインスリンの分泌が上手くいかなくなり、その結果血液中の糖を細胞が利用できなくなり、糖がそのまま血液中に残ってしまうという状態になります。
糖尿病かどうかを診断するために採血が行われますが、これはこの血液中の糖の数値が正常かどうかを確かめるためです。
猫も糖尿病になると様々な症状が体に表れますが、初期症状では病気にも関わらず食欲がとても旺盛、ということもあるようです。
これは体内の糖をうまくエネルギーに換えることができないため、自然と栄養不足を補おうとし、一見食欲があるように見えるというのが理由です。
猫が糖尿病になると、最初は食欲旺盛にも関わらず体重が減っていき、病気が進むと逆に食欲がなくなるという経過をたどることがあるようです。
3.寄生虫
猫の体重が減ってしまう原因は、上記した甲状腺機能亢進症や糖尿病のような病気の場合もありますが、他に回虫という寄生虫が体内に入ることでも引き起こされます。
回虫は成長すると10㎝ぐらいになる白く細長い寄生虫で、腸を代表とする猫の体内に寄生します。
回虫は猫の糞の中にいる他、ネズミ、鳥、ミミズなどに寄生していることもあり、それを猫が食べることで寄生が行われます。
回虫に感染すると体内の栄養分を寄生虫に奪われてしまうため、たくさん食べていても痩せてしまうという状態になります。
回虫は寄生されている糞や動物を通して猫の体に入り込みますが、回虫が体内にいる猫が妊娠するとその子猫も回虫に寄生される場合があります。
子猫が回虫に寄生されると大人の猫よりも重症化しやすいので、子猫の時に病院で寄生虫の駆除を行ってもらう方が望ましいです。
まとめ
いかがでしたか?猫が食欲旺盛なのに体重が減るという場合には様々な原因が考えられますが、健康に大きな問題をもたらす病気が隠れていることもあります。
もし飼っている猫がフードをきちんと食べているのに体重が減っているという時には、はやめに獣医さんに診察してもらった方がよいでしょう。