猫の長寿を願う飼い主さん必見!健康な体づくりに必要な栄養素6つ

猫の長寿を願う飼い主さん必見!健康な体づくりに必要な栄養素6つ

1970年代頃まではまだキャットフードが普及しておらず、「ねこまんま」と言われる人間の残飯を与えていました。その頃と比べると、猫の平均寿命はかなり延びています。その一因が良質なキャットフードの普及だといわれています。平均寿命を左右するくらい、食事は健康な体作りに大切なものなのです。そこで今回は、猫に必要な栄養素について説明します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫には猫のための食事が必要です

鼠を狙う猫

白いご飯に鰹節または味噌汁などをかけた、いわゆる「ねこまんま」を与えていた1970年代頃と比べると、現在の猫の平均寿命はとても延びています。

その一因は、良質なフードが普及したからだといわれています。

ねこまんまは人間の食事がベースとなっていて、主となるエネルギー源を炭水化物から摂ろうとしています。

しかし完全肉食性の猫にとってのエネルギー源はタンパク質であり、炭水化物からエネルギーを得ることはできません。

では完全肉食性の猫には肉や魚の切り身だけを与えておけば良いのかというと、それも間違いです。

猫は、内臓なども含めて動物をまるごと食べることで、必要な栄養素をすべて摂取しているからです。

食事は健康な体を作る基盤です。今回は、猫の健康な体作りに必要な栄養素について解説します。

1.水

水を飲む猫

実は、体脂肪の殆どとタンパク質の半分を失っても、動物は生きていられます。

しかし、水分は15%を失っただけで生きていられなくなります。

猫に限らず、動物にとって最も重要な栄養素が水なのです。

1日に必要とする水分量(ml)は、その動物が1日に必要とするエネルギー量(kcal)と同じです。

ただし、水分の全てを飲水で賄うわけではなく、食事のタイプ(ドライかウェットか)によっても左右されます。

飼い主さんとして心掛けていただきたいのは、愛猫がいつでもどこでも新鮮な水を飲みたいだけ飲める環境を整えることです。

そして、愛猫の日々の飲水量を把握しておき、大きく増減した際にはすぐに察知できるようにしておくことです。

2.タンパク質

跳躍する猫

完全肉食性の猫はタンパク質をエネルギー源としているため、人や犬よりも多くのタンパク質を必要とします。

一説には、猫は人の約5〜6倍の量のタンパク質が必要だといわれています。

タンパク質は複数個のアミノ酸からできており、皮膚、筋肉、ホルモン、抗体などになります。

タンパク質を構成するアミノ酸には約20種類があり、動物の体内で合成できるものとできないものがあります。

体内で合成できないアミノ酸は食物から摂取する必要があり、「必須アミノ酸」といわれています。

人の必須アミノ酸は9種類、犬の必須アミノ酸はそれにアルギニンを加えた10種類、猫はさらにタウリンを加えた11種類が必須アミノ酸になります。

例えば猫にドッグフードだけを与えていると、タウリンが不足して、網膜変性による失明や拡張型心筋症を発症することがあります。

3.脂肪

太った猫

猫は脂肪もエネルギーとして利用しているため、人や犬よりも多くの量を必要とします。

ただし、脂肪はタンパク質の約2.5倍のエネルギーを供給できるため、過剰摂取は肥満のもととなるので注意が必要です。

脂肪は複数の脂肪酸から構成され、必須アミノ酸と同様に体内で合成できないものを「必須脂肪酸」といいます。

猫は、人や犬が体内で作れるリノール酸や植物にはほとんど含まれていないアラキドン酸を作れません。

欠乏すると脱毛、毛艶が悪くなる、傷が治りにくくなる、湿性皮膚炎や生殖機能の低下を招くといった症状が現れます。

なお、猫の代表的な必須脂肪酸であるリノール酸、α-リノレン酸、アラキドン酸は酸化しやすい成分です。

そのため、ドライフードは酸化を進行させる光や高温を避け、密閉容器で空気を遮断して保管しましょう。

4.炭水化物

猫とケーキ

炭水化物には、人や犬にとってエネルギー源になったり熱を生み出したりする「糖質」と、腸内環境を整えたりうんちの柔らかさを調節したり血糖値の上昇を抑えたりする「繊維質」があります。

猫は炭水化物からエネルギーを得ないため、糖質を利用することが非常に苦手ですが、繊維質は必要です。

炭水化物が全く必要ないというわけではありません。ただし猫は果糖を利用できないため、甘い食べ物を猫に与えるのはやめましょう。

5.ビタミン

フードを食べる猫

ビタミンは、体の機能や代謝を円滑にします。そして基本的に、必須栄養素です。

ビタミンは、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けられます。

水溶性ビタミンは尿と一緒に体外に排出されるため、過剰摂取による害はありません。その代わり、毎日必要量を摂取する必要があります。

脂溶性ビタミンは体内に蓄えられるため、過剰摂取に注意が必要です。

総合栄養食のフードを与えている健康な猫に対しては、脂溶性ビタミンをサプリメント等で追加することは避けた方が良いでしょう。

6.ミネラル

猫の骨格

ミネラル同士には、他のミネラルの働きを補助したり、逆に他のミネラルの機能を低下させたりといった複雑な関係があります。

そのため、個々のミネラルの必要量確保はもちろんですが、関連するミネラルのバランスにも注意が必要です。

例えばカルシウムとリンです。

どちらも体内では大切な役割を担っていますが、カルシウムの割合が低下すると、骨中のカルシウムが使われるため骨密度を低下させてしまいます。

特に手作り食を与えたいという飼い主さんの場合は、ミネラルバランスにも十分な注意が必要です。

まとめ

子猫とご飯

六大栄養素だけを見ると、どの動物種にも同じ考え方で食事を与えて良いように思いがちですが、雑食性の人間、肉食から雑食に移行した犬、完全肉食性の猫では、必要な栄養素の内容や適正な栄養バランスが異なります。

そのため、人間や犬が食べているものを猫に与えることで、猫の健康を損ねることがあるということを理解した上で、愛猫の栄養管理を行いましょう。

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