猫の年齢別『起こりやすい病気&トラブル』11個と予防策

猫の年齢別『起こりやすい病気&トラブル』11個と予防策

愛猫の健康管理といっても、一体何に気を付ければよいのか分からずに、あれもこれもと疲れ果ててしまってはいませんか。完璧を求めても長くは続きません。猫の年齢毎に多い病気を把握することで、効率的な健康管理を愛猫の生涯を通して継続できるはずです。そこで、猫の年齢別に起こりやすい病気やトラブルについてご紹介します。

1400view

SupervisorImage

記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

愛猫の健康管理を長く続ける秘訣

遊ぶ猫

一緒に暮らしている愛猫には、1日でも長く元気に暮らしてもらいたいものです。

しかし、「愛猫の健康管理として何に気を付ければよいのか分からない」という飼い主さんも多いのではないでしょうか。

あれもこれも心配と完璧を求めてしまって結局疲れてしまい、長くは続かなかったと後悔することも…。

猫の年齢毎に罹りやすい病気を把握できれば、愛猫の生涯を通して効率的な健康管理を続けられるはずです。

そこで今回は、猫の年齢別に罹りやすい病気やトラブルについてご紹介します。

猫の年齢別保険金請求が多い病気&トラブルのランキング

猫の診察

アイペット損害保険株式会社が2021年に公表した、猫の保険金請求額の年齢別ランキングをご紹介します。

【1歳未満:子猫】
1位:下痢
2位:結膜炎
3位:胃腸炎
4位:猫カゼ
5位:皮膚炎

【1〜6歳:成猫】
1位:皮膚炎
2位:膀胱炎
3位:下痢
4位:尿石症
5位:胃腸炎

【7歳以上:老猫】
1位:腎臓病
2位:腫瘍
3位:心臓病
4位:膀胱炎
5位:歯周病

出典:ペットの保険金請求が多い傷病のランキング2021

これらの病気やトラブルに関して、以下に説明していきます。

各病気やトラブルの概要と予防策

トイレで力む猫

1.下痢

猫が下痢をする場合、ストレス、消化不良、中毒症、異物誤飲、感染症、内臓の病気等さまざまな病気やトラブルが原因であると考えられます。

特に子猫の場合は感染症、環境変化などのストレスや消化不良が原因となりやすいです。

異物誤飲や中毒症は年齢に関わらず注意が必要です。

基本的なこととして、寄生虫駆除やワクチン接種による感染症予防も大切です。

2.結膜炎

ウイルス感染症やアレルギー、異物が目に入るなどが原因で発症します。

目が赤く腫れ、目やにや涙が出、むくみます。

定期的なワクチン接種で感染症を予防し、室内飼育を基本としてこまめに掃除をしましょう。

3.胃腸炎

消化器の粘膜に炎症が起き、下痢、嘔吐や食欲不振、血便などの症状が現れます。

猫は環境変化によるストレスやフードの変更で胃腸炎を起こしやすいです。

ストレスフリーな生活への配慮や、フードの適正管理を心掛けましょう。

4.猫カゼ

注射を打たれる猫

猫カゼとは、猫ヘルペスウイルス、カリシウイルス、クラミジアなどの感染症の総称です。

咳、くしゃみ、鼻水、目やに、口内炎、発熱などの症状が現れます。

子猫は体力が弱いため命取りになりますので、ワクチンで予防しましょう。

5.皮膚炎

猫の生涯を通して発症率が高いです。

真菌症(カビ)や寄生虫感染、アレルギーによる場合が多いので、寄生虫予防と住環境の衛生管理に気を付けましょう。

6.膀胱炎

膀胱に炎症ができ、1回のおしっこ量が少なくなる、血尿が出る、残尿感があり頻繁にトイレに行くなどの症状が見られます。

何度も再発を繰り返すことが多いです。水をよく飲めるようにし、トイレを清潔にしておしっこを我慢させないようにしましょう。

7.尿石症

水を飲む猫

おしっこ中のミネラルが結晶化し、砂粒から小石程度の大きさの結石が腎臓、尿管、膀胱、尿道などにできる病気です。

結石が尿管や尿道の細い部分に詰まるとおしっこが出せなくなり、尿毒症で命を落とす場合もあります。

栄養バランスの取れた食事と常に水を飲ませることが大切です。

8.腎臓病

腎臓の細胞は再生しないため、腎機能が低下しても回復できません。そのため、進行を遅らせる治療しか行うことができません。

定期的な健康診断による早期発見に努め、早期に治療を開始することが肝心です。

9.腫瘍

腫瘍には良性と悪性があり、悪性のものを「がん」といいます。

皮膚などの体の表面にできる腫瘍は比較的容易に発見できます。

しかし内臓の腫瘍は、日頃の愛猫の様子をよく観察する、定期的に健康診断を受ける等で異変を察知するしかありません。

猫の乳腺腫瘍は、最初の発情を迎える前に避妊手術を行うことで発生率を大幅に下げることができます。

10.心臓病

眠る猫

猫に多い心臓病は肥大型心筋症で、メインクーンやアメリカンショートヘアに好発します。

発症すると、すぐに疲れて息切れする、ぐったりとうずくまってばかりいる、重症の場合は呼吸困難、足の麻痺や歩行困難、突然死といった症状が見られます。早期発見早期治療が大切です。

11.歯周病

歯に付いた歯垢が歯石となり、その中に潜んでいる細菌が血液を介して全身に拡散すると、最終的に命を落とすことにもなりかねません。

歯の病気と軽く考えず、日頃から歯磨きを行って歯垢を歯石化させないことが大切です。

年齢別の健康管理のポイント

猫の体重測定

生まれてすぐに母猫の初乳を飲んだ子猫は、初乳を介して母猫から抗体を受け継ぎますが、生後2〜3ヵ月頃から抗体が弱まります。

適切なワクチネーションが、子猫の健康管理には欠かせません。

また成猫の間は年に1回、高齢になってからは年に2回以上健康診断を受け、病気の早期発見早期治療に努めましょう。

並行して、日々の食事量、飲水量、排尿や排便の量、色、状態などのチェックを習慣付けましょう。

高齢になると、体力や筋力、免疫力が低下します。その時々の状態に合わせて、環境の見直しを行いましょう。

また、生涯を通して肥満にさせないことが、愛猫の健康維持の要になります。

まとめ

獣医に聴診器を当てられる白黒の猫

子猫、成猫、老猫と歳を重ねるにつれて、体力やホルモンバランスなどが変化し、罹りやすい病気も変わります。

その時々の体の状態や罹りやすい病気などに合わせて、健康管理のポイントを抑えておきましょう。

普段の愛猫の様子をよく観察し、少しの変化にも早く気付いて対処できるようにする、定期的な健康診断で病気の早期発見と早期治療に務める、事故の原因となる得るリスクをできるだけ排除することが大切です。

スポンサーリンク