1.骨軟骨異形成症
関節部分が瘤のようにふくらんだ「骨瘤」ができる遺伝性の病気が骨軟骨異形成症です。
骨瘤ができると、関節の動きが鈍くなるだけでなく、痛みを伴います。
この病気はスコティッシュフォールドに多く、特に折れ耳タイプでは、ほとんどがこの病気を患っているといわれています。
折れ耳がかわいい人気の猫種のスコティッシュフォールドですが、実は耳が折れているのも骨の異常なのです。
スコティッシュフォールドは座り方にも特徴があります。
足を投げ出して人間のように座る姿は愛嬌があり「スコ座り」と呼ばれていますが、これも関節が痛むためにそのような座り方をしている可能性があるのです。
スコティッシュフォールドの他、マンチカンやペルシャ、アメリカンカールなどが骨軟骨異形成症を発症しやすいと言われています。
2.変形性関節症(関節炎)
12歳以上の高齢猫では、ほとんどが発症している関節炎。
関節炎の多くが、関節の軟骨やその周辺が変形してしまう変形性関節症であると言われています。
加齢が主な原因ですが、骨軟骨異形成症やケガなどが要因となることもあります。
関節炎になるとジャンプができなかったり、動きが鈍くなることも。痛みを我慢しているかも知れません。
年だからとあきらめず、様子がおかしいと感じたら動物病院で診てもらうことをおすすめします。
また、関節炎のリスクを高める肥満にも気をつけましょう。
3.膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼
膝蓋骨は膝のお皿のことを言います。これがずれてしまった状態が膝蓋骨脱臼です。
先天的なものがほとんどですが、ジャンプをしたり、高い所から飛び降りた際に脱臼してしまうこともあります。
痛みが強いので、足を引きずって歩いたり、触られるのを嫌がることが多いです。
犬に比べて猫の症例は少ないのですが、足を痛がっているそぶりが見られたら、早めに獣医さんに診てもらうと安心ですね。
4.椎間板ヘルニア
脊椎の間でクッションの役割をはたしているのが椎間板です。
この椎間板が正常な位置から飛び出てしまい、その上の脊髄を圧迫している状態が椎間板ヘルニアです。
加齢や肥満が主な原因ですが、高い所から落ちるなど、強い衝撃によって発症することもあります。
椎間板ヘルニアも犬と比べると猫では稀ですが、足が短いマンチカンやメインクーンなどの猫種では発症しやすいので注意が必要です。
まとめ
かわいらしい猫の座り方。でも、様子が変だなと感じた時は、骨や関節に違和感を覚えているのかもしれません。
見たこともないような座り方をしていたら、骨や関節に異常があることもあるのです。
猫は痛みがあっても自分で伝えることができません。飼い主が早く気づいてあげることが大切です。