猫の体を作る栄養素
獣医療の発達やキャットフードの質が良くなったことなど、猫の寿命は伸びています。
猫が健康的に過ごすためには食事が重要で、猫には猫の栄養バランスがあり、人や犬とでは必要な栄養素が違います。
猫に必要な栄養素
1.水
水は体内で栄養素を運んだり、血液の主成分となります。また、体温調節をするためにも必要です。
食事に含まれる水分、代謝で得られる水分がありますが、猫が新鮮な水が飲めるようにしましょう。
猫はあまり水を飲もうとしないため、おしっこに関わる病気になりやすいです。
水飲み場を複数箇所に置くなど工夫をすると、猫の飲水量を増やすことができます。
2.脂質
脂質は、多くのエネルギーを供給でき、皮膚や被毛の健康を保ったり、ホルモンや酵素を合成するといったはたらきもあります。
リノール酸、αリノレン酸、アラキドン酸は猫の必須脂肪酸で、食事から摂る必要があります。
ただし、脂質は摂りすぎると体内に蓄えられ、肥満となってしまいます。
飼い主さんがきちんと食事管理をして、フードを与えすぎないようにしましょう。
3.タンパク質
猫は肉食なのでタンパク質が不可欠です。
タンパク質は体の組織の成長や修復、エネルギー源などに利用されます。
タンパク質はアミノ酸で構成され、体内で作ることができないアミノ酸は食事から摂る必要があります。
猫の必須アミノ酸は10種類です。特にアルギニンは重要で、不足すると老廃物を尿として排出するための機能に異常が起きてしまいます。
4.タウリン
タウリンはアミノ酸に似た成分で、肉類や魚介類にに含まれています。
猫は体内でタウリンを作ることができないため、食事からタウリンを摂取することに依存していて、「タウリン欠乏」が起きやすいです。
タウリンは欠乏すると目、心臓、発育などに異常が起きます。
キャットフードにはタウリンが添加されているので、正しくフードを与えていれば欠乏することはありません。
5.炭水化物
消化される炭水化物は糖質、消化されない炭水化物は食物繊維に分けられます。
猫は肉食なので糖質は重要な栄養素ではありません。
しかし、狩りで捕まえたネズミなどの小動物の体内に残った未消化の草や穀物も一緒に食べているので、猫も糖質を摂取しています。
多量の糖質の消化は不得意ですが、少量の糖質は摂った方が良いとも言われています。
食物繊維は腸内環境や便通の改善をするはたらきがあります。毛玉ケアや体重管理など、食物繊維でサポートするフードもあります。
6.ビタミン
体の機能を円滑にするはたらきがあります。
微量ではたらく栄養素で、キャットフードには必要な量のビタミンが入っているので欠乏することはほとんどありません。
7.ミネラル
臓器の機能の維持や調整に必要な栄養素です。
ミネラル同士のバランスを保って機能するため、過剰になったり不足になったりすると他のミネラルの機能に影響が出てしまいます。
まとめ
猫の健康な体をつくるには、脂質やタンパク質などの栄養素が必要です。
キャットフードにはバランスよくそれらの栄養素が含まれています。
病気の治療や予防のために栄養素のバランスが考えられた療法食が必要な場合もあります。
猫の長寿のために、猫にあったバランスの取れた食事を用意してあげましょう。