1.A型
猫の血液型は3種類。A型、B型、AB型です。猫の血液型は、ほとんどがA型だそう。
およそ7〜8割の猫がA型なのです。その理由は、A型の遺伝子が最も強いから。力関係によって血液型が決まります。
たとえ両親のどちらかがB型やAB型であっても、もう一方がA型であれば一番強いその遺伝子に押され、子猫もA型になる場合が多くなります。ですから猫のほとんどがA型なのでしょう。
猫種ではシャムやロシアンブルー、アメリカンショートヘアなどはほぼA型です。
2.B型
B型はA型の次に多い血液型です。割合は日本の猫では全体の2割ほどだといわれています。B型の血液には「抗A抗体」があり、万が一A型の血液を輸血してしまうと強い拒絶反応があるため、とても危険です。
もし愛猫がB型の場合、輸血する血液が見つかりにくいという点があります。そのため、輸血をするようなことにならないよう、細心の注意を払う必要があるでしょう。
またB型の母猫がA型やAB型の子猫を産んだ場合も注意が必要です。初乳を飲んだ子猫の赤血球が破壊されてしまう「新生児溶血」が起きる可能性があります。それが起きるとすぐに亡くなってしまうのです。
もし愛猫が妊娠したり妊娠中の猫を保護したりした場合は、出産前に母猫の血液型を調べておきましょう。もしくはB型の猫が妊娠しないようにしたり、妊娠を望む場合はB型の父猫とのみ繁殖させる方法もあります。
3.AB型
AB型は猫の中で一番少ない血液型で、全体の数%しかいません。遺伝子の強さはA型の次と考えられていますが、そもそものAB型の猫が少ないため、珍しい血液型になっているのです。
AB型の血液は血球成分の入っていない血漿であれば、A型、B型の猫両方に輸血ができるのですが、残念ながら献血してもらえる猫がとても少ないという現状があります。愛猫がAB型の場合は輸血できない可能性があるため、なるべくその必要が生じないよう気をつけなければいけません。
調べ方
猫の血液型を調べるには、動物病院でお願いしましょう。血液型判定キットとクロスマッチテストを併用して行います。
血液型判定キットでは血液の成分から血液型を確認し、クロスマッチテストは調べる側の猫と別の猫の血液を混ぜ合わせ、輸血しても大丈夫かを判定する方法です。
輸血する事態になったときは当然血液型を調べますが、あらかじめ調べておくといざというとき安心できます。費用は動物病院によって異なります。一般的には5000円から7000円程度のようです。
血液型判定キットは必ずしも全ての病院に置いてあるわけではありませんので、事前に電話をして取り扱いの有無を確認しておくと良いでしょう。
知っておくメリット
愛猫の血液型を知っておくといくつかメリットがあります。まず輸血が必要になるような緊急事態が起きた場合、スムーズに治療が受けられるでしょう。逆に友人などの愛猫が危機に陥った場合、輸血用の血液を供給できるかもしれません。
その他のメリットとしては、子猫を新生児溶血から守ることができます。血液型を知っておけば、B型の母猫によるA型やAB型の子猫の出産を防げるでしょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:銀ちゃん♂ / 雑種 / 0kg
普段はあまり意識しない愛猫の血液型かもしれませんが、知っておくといざというときに助かる場合もあるでしょう。動物病院に行くのは猫にとってストレスとなることが多いため、別の用事で訪れたときに合わせてお願いするとよいかもしれません。