チェリーアイってどんな病気?
目に起こるトラブルの1つ、チェリーアイ。一体どのような病気なのでしょうか?
まずは特徴について解説いたします。
猫はレアケース
チェリーアイは瞬膜と呼ばれる哺乳類・鳥類・爬虫類などが持つ3つ目のまぶたに起こる病気です。
特に犬で多く見られる病気です。
猫でも犬ほど多くはありませんが、稀に報告があります。
正式名称は「第三眼瞼腺逸脱」
チェリーアイの正式名称は「第三眼瞼腺逸脱(突出)」といいます。
動物の中には、上下のまぶたの他に、第3のまぶたである第三眼瞼(瞬膜)を持つ場合があります。
いわゆる「瞬膜」です。普通に目を開けた状態では見えませんが、時々寝ている最中に見えることがあります。
瞬膜には第三眼瞼腺があり、涙を眼球全体に行き渡らせる役割を担っています。
はっきりとした原因はわかってはいませんが、犬であれば目の形状自体に種差があること、筋肉や神経に異常がある場合、瞬膜に炎症が起き、腫れて目頭に露出してしまった場合などが、第三眼瞼腺逸脱の原因として考えられています。
見た目がさくらんぼのように見えることから、通称は「チェリーアイ」と呼ばれています。
先天的に発症することも
原因不明で発症することもありますが、先天的な要因で発症することがあります。
生まれつきの場合、瞬膜を固定する結合組織や筋肉が弱かったり、元々欠損していたりすることが主な原因になりす。
このようなケースでは、2歳以下の若い年齢で症状が現れることが多いです。
また、中年齢以降では目の周りにできた腫瘍が原因になることもあります。
先天性、後天性いずれも再発する可能性が高い病気です。
発症しやすい猫種
猫にはレアだと紹介しましたが、他の猫と比べて発症しやすい猫達がいます。その猫種は、バーミーズです。
理由として、瞬膜と骨の付着が生まれつき弱い可能性が挙げられます。
ハイリスクの猫は、生まれたばかりの子猫の時に発症しやすい傾向にあります。
どんな症状が出るの?
チェリーアイになると、次のような症状が現れます。
- 赤く腫れた瞬膜の突出
- 目ヤニが増える
- 目の充血
- 目が気になって頻繁に触れる
- まばたきの回数が増える
さらに合併症として、角膜潰瘍や結膜炎を併発することがあります。
瞬膜には目に潤いを与える役割があることから、チェリーアイが慢性化するとドライアイを引き起こします。
もしもチェリーアイになってしまったら…
チェリーアイを発症してしまったら、どのような治療が受けられるのでしょうか?
具体的な治療法を3つ紹介いたします。
1.突出した瞬膜を戻す
軽度の場合は、表に出てしまった瞬膜を綿棒などで押し戻します。
シンプルな方法ですが、必ず動物病院で処置を受けるようにしてください。
2.投薬治療
瞬膜を押し込んだら、炎症を鎮めるための投薬治療を行います。主に抗炎症薬や抗生物質を用います。
3.手術
頻繁に繰り返すケースや、重度のケースでは手術が検討されます。
主な術式は3つあり、状態に合わせて選択します。
- アンカー法:飛び出した瞬膜を糸で固定する
- ポケット法:瞬膜を反転させて埋め込み縫合する
- 第三眼瞼腺切除:瞬膜そのものを摘出する
3番目の方法は、慢性的にドライアイが続く後遺症が出てしまいます。
そのため、よほど重症な場合を除き、アンカー法やポケット法が選択されます。
まとめ
チェリーアイ自体は命に関わることがありません。
しかし、気になって目をいじってしまうと悪化したり、合併症を併発すると治療が長引くことがあります。重症化すると失明の恐れもあります。
具体的な予防策はありませんが、早期発見に繋げるためにも日頃から目の観察をしてください。
常に瞬膜が見えたり、目ヤニや充血があれば診察を受けましょう。