猫の突然死…トップは交通事故
猫が自由に外出できる場合、突然死の原因で最も多いのは「交通事故」です。
その理由には、猫の次のような習性が関わっています。
- 走り出すと急に止まれない
- 歩いている場合は、車のライトやクラクションに驚いて身動きが取れなくなる
- 後ろ歩きができない
- 車が危険なものだと認識できていない
とても痛ましい話ですが、完全室内飼育にすることによって確実に防ぐことができます。
室内飼育の猫に多い突然死の要因とは?
猫が突然命を落としてしまう原因は、交通事故だけではありません。
ここからは、完全室内飼育でも起こり得るケースを5つ紹介いたします。
1.肥大型心筋症
肥大型心筋症は、心臓の筋肉が異常に分厚くなる疾患です。
筋肉の厚みが増すことで、全身に上手く血液が送り出せなくなってしまいます。
厄介なことに、聴診では心雑音が聞こえないことが多く、通常の診察では発見が困難なことが多いです。
2.血栓塞栓症
血栓塞栓症とは、血流が滞った心臓の中で作られた血栓(血の塊)が心臓の外へと飛び出し、下半身や腎臓の血管を詰まらせてしまう病気です。
血栓が腎臓へ飛んでしまうと、急性腎障害を引き起こします。腎機能が急激に低下することにより、突然死が起こる可能性があるのです。
血栓塞栓症の背景にも心筋症が関与しています。
3.保冷剤の誤飲
保冷剤にはエチレングリコールという成分が含まれています。独特の甘味を好む動物が多く、誤って食べてしまうことがあります。
エチレングリコールを摂取すると急性腎不全を引き起こし、命を脅かします。
4.中毒性の高い食品を食べた
人間の体には無害でも、猫が食べてしまうと中毒を引き起こす食材があります。
中でも、ネギ類、チョコレートやアルコールは大変危険です。どちらも最悪の場合、死に至る可能性があります。
5.食べてはいけない花を食べた
猫は肉食動物ですが、花に興味を持つ猫もいます。
ただ眺めるだけなら良いのですが、実際に口にしてしまうと命に関わるものがあります。
代表的なのはユリです。ユリは花のみならず、花瓶の水ですら命を落とす危険性があります。
突然死を予防する手立てはあるの?
突然死ほど受け入れ難く、悲しい別れはありません。大切な家族である愛猫を、突然死から守る方法はあるのでしょうか。
今すぐ実践できる手段を紹介いたします。
危険な食材を放置しない
猫は基本的には肉食ですが、肉以外でも人間の食べ物に興味を持つことがあります。
うっかり放置しないように気をつけましょう。次に挙げる食材は、チョコレートやアルコールと同様に危険です。
- ネギ
- 玉ねぎ
- ニンニク
- ニラ
- アボカド
- ぶどう(レーズンを含む)など
ユリの花を避ける
花瓶の水を飲んでしまう危険性までは、完全に防ぐことが困難です。猫がいるご家庭では、ユリを飾ることを諦めたほうが良いでしょう。
猫と暮らしている方への贈り物も、ユリ以外の花を選ぶように配慮してくださると助かります。
定期的な健康診断
心筋症は発見が難しい病気です。定期的な健康診断を行うことで猫の正常もわかりますし、異常にもすぐ気づくことができます。
ですので、可能であれば一年に1回は健康診断をうけさせましょう。
まとめ
猫の突然死で、最も多い原因は交通事故です。しかし、これは完全室内飼育によって可能性をゼロにすることができます。脱走対策を徹底し、外に出さないように心がけましょう。
病気の中では、心筋症が恐ろしい存在です。一部遺伝的にかかりやすい猫種がいますが、どの猫でもなりえる可能性がありますので注意しましょう。
異変を感じたら動物病院に相談しましょう。健康診断も一つの早期発見の方法です。その他、日常生活で危険を伴うものの管理を徹底し、突然死から大切な家族を守ってあげてください。