猫の恐ろしい『突然死』…よくある5つの原因と予防策

猫の恐ろしい『突然死』…よくある5つの原因と予防策

突然死ほど悲しいことはありません。なぜ若い猫が突然命を落としてしまうのでしょうか。その主な要因と、予防策について詳しく紹介いたします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の突然死…トップは交通事故

車上の猫

猫が自由に外出できる場合、突然死の原因で最も多いのは「交通事故」です。

その理由には、猫の次のような習性が関わっています。

  • 走り出すと急に止まれない
  • 歩いている場合は、車のライトやクラクションに驚いて身動きが取れなくなる
  • 後ろ歩きができない
  • 車が危険なものだと認識できていない

とても痛ましい話ですが、完全室内飼育にすることによって確実に防ぐことができます。

室内飼育の猫に多い突然死の要因とは?

診察を受ける猫

猫が突然命を落としてしまう原因は、交通事故だけではありません。

ここからは、完全室内飼育でも起こり得るケースを5つ紹介いたします。

1.肥大型心筋症

肥大型心筋症は、心臓の筋肉が異常に分厚くなる疾患です。

筋肉の厚みが増すことで、全身に上手く血液が送り出せなくなってしまいます。

厄介なことに、聴診では心雑音が聞こえないことが多く、通常の診察では発見が困難なことが多いです。

2.血栓塞栓症

血栓塞栓症とは、血流が滞った心臓の中で作られた血栓(血の塊)が心臓の外へと飛び出し、下半身や腎臓の血管を詰まらせてしまう病気です。

血栓が腎臓へ飛んでしまうと、急性腎障害を引き起こします。腎機能が急激に低下することにより、突然死が起こる可能性があるのです。

血栓塞栓症の背景にも心筋症が関与しています。

3.保冷剤の誤飲

保冷剤にはエチレングリコールという成分が含まれています。独特の甘味を好む動物が多く、誤って食べてしまうことがあります。

エチレングリコールを摂取すると急性腎不全を引き起こし、命を脅かします。

4.中毒性の高い食品を食べた

人間の体には無害でも、猫が食べてしまうと中毒を引き起こす食材があります。

中でも、ネギ類、チョコレートやアルコールは大変危険です。どちらも最悪の場合、死に至る可能性があります。

5.食べてはいけない花を食べた

猫は肉食動物ですが、花に興味を持つ猫もいます。

ただ眺めるだけなら良いのですが、実際に口にしてしまうと命に関わるものがあります。

代表的なのはユリです。ユリは花のみならず、花瓶の水ですら命を落とす危険性があります。

突然死を予防する手立てはあるの?

撫でられる猫

突然死ほど受け入れ難く、悲しい別れはありません。大切な家族である愛猫を、突然死から守る方法はあるのでしょうか。

今すぐ実践できる手段を紹介いたします。

危険な食材を放置しない

猫は基本的には肉食ですが、肉以外でも人間の食べ物に興味を持つことがあります。

うっかり放置しないように気をつけましょう。次に挙げる食材は、チョコレートやアルコールと同様に危険です。

  • ネギ
  • 玉ねぎ
  • ニンニク
  • ニラ
  • アボカド
  • ぶどう(レーズンを含む)など

ユリの花を避ける

花瓶の水を飲んでしまう危険性までは、完全に防ぐことが困難です。猫がいるご家庭では、ユリを飾ることを諦めたほうが良いでしょう。

猫と暮らしている方への贈り物も、ユリ以外の花を選ぶように配慮してくださると助かります。

定期的な健康診断

心筋症は発見が難しい病気です。定期的な健康診断を行うことで猫の正常もわかりますし、異常にもすぐ気づくことができます。

ですので、可能であれば一年に1回は健康診断をうけさせましょう。

まとめ

甘える猫

猫の突然死で、最も多い原因は交通事故です。しかし、これは完全室内飼育によって可能性をゼロにすることができます。脱走対策を徹底し、外に出さないように心がけましょう。

病気の中では、心筋症が恐ろしい存在です。一部遺伝的にかかりやすい猫種がいますが、どの猫でもなりえる可能性がありますので注意しましょう。

異変を感じたら動物病院に相談しましょう。健康診断も一つの早期発見の方法です。その他、日常生活で危険を伴うものの管理を徹底し、突然死から大切な家族を守ってあげてください。

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