室内飼育の猫に多い怪我や病気
安全と思われる室内でも、思わぬ怪我や病気に見舞われることがあります。
室内飼育の猫に多い怪我や病気をいくつか挙げてみます。
- 家具に爪が引っ掛かる(爪が折れる)
- 足裏の毛が滑り足を痛める(長毛種の場合)
- ジャンプに失敗して転倒する
- 換毛期は毛球症になりやすい
- 歯肉炎や歯周病などの口腔トラブル
日々のお手入れで予防を
先ほど紹介した怪我や病気は、日々のお手入れである程度予防することが可能です。
適切なケアとポイントを3つ紹介いたします。
1.爪や足裏の毛のカット
猫の爪は鋭く尖っています。あまりに伸び過ぎると怪我をするだけではなく、自分自身の肉球にも食い込んでしまう恐れがあります。
爪の中の血管の位置に注意しながらカットしてあげましょう。猫の多くは爪切りが苦手です。嫌がる場合は全ての爪を1度に切ろうとはせず、おやつなどで気を紛らわせながら少しずつ切り揃える方法でも大丈夫です。
長毛種の猫は、足裏にも毛が密集しています。愛猫の生活拠点がフローリングの場合は、滑って危険です。足にも負荷がかかります。
爪切りと同様に、無理のない範囲で少しずつカットしてあげてください。
嫌がってなかなかさせてもらえない場合は、かかりつけで爪切りや足裏カットのみで受診できないか確認してみてください。よっぽど嫌がる場合でない限り、多くの動物病院で受け入れ可能です。
2.ブラッシング
毛繕いの過程で大量の被毛を飲み込むと、胃腸に毛玉が詰まる毛球症を引き起こすことがあります。
ブラッシングで余分な毛を取り除き、舐めて体内に入る毛量を減らしてあげましょう。
長毛種の場合は、季節に関係なく毎日やるのが理想です。少なくとも1日おきに毛をとかしてあげてください。
また、特にお腹側や耳の後ろ、足の付け根などは毛玉になりやすいです。毛玉ができると皮膚がつっぱって痛く、ひどいと皮膚炎にまで発展しますから、できるだけこまめにブラッシングが必要です。
短毛種の場合は、1週間に1回を目安に行いましょう。血流が良くなり、寒い季節は寒さ対策としても効果を発揮します。
被毛の長さを問わず、換毛期はこまめにブラシをかけてあげてください。
3.歯磨き
猫は虫歯にこそ滅多となりませんが、歯肉炎や歯周病になるリスクはあります。要因はフードの食べカスが歯に付着することです。
特にウエットフードをよく食べる猫や、ペースト状のおやつを好む猫は要注意です。
猫用の歯ブラシや、歯磨きおやつなどを活用しながら歯磨き習慣を身につけましょう。
ブラシを使用する際は、くれぐれも歯茎を傷つけないよう、また歯ブラシの先や歯磨きシートなどを飲み込まれないよう、気をつけてください。
普段の生活で気をつけること
直接的なお手入れではありませんが、愛猫の安全を守るために気をつけてほしいポイントも、いくつか紹介いたします。
危険なものを放置しない
猫は好奇心旺盛な動物です。何でも獲物に見立てて遊ぼうとします。
充電器のケーブルやクリップ、ホチキスの芯などの危険物を放置しないようにしてください。
仮に猫のおもちゃであっても誤飲のリスクがあります。小さなおもちゃや、ひも状のおもちゃは必ず片付けるように心がけましょう。
キャットタワーの点検をする
年季の入ったキャットタワーは劣化し、破損する恐れがあります。
掃除をするついでに点検してください。グラグラして危険だと判断したら撤去してください。
スキンシップで怪我の確認をする
室内飼育の猫に多い怪我のシチュエーションは、低い位置からの転落です。
運動神経がいまいちの猫ちゃんでは、椅子やテーブル程度の高さでは、着地の体勢が整わないうちに地面に到達してしまうことがあります。
スキンシップを取る際に、痛がる場所がないか確認してください。異変があれば動物病院で診てもらいましょう。
まとめ
完全室内飼育の猫は、鋭く伸びた爪が引き金となる怪我や、食習慣によるお口のトラブルが多いという特徴があります。
爪を適切な長さに切ることは、私達の安全を守ることにも繋がりますし、多頭飼育の場合は仲間の動物を守ることにも繋がります。
お口の健康は食べること、すなわち生きることに直結します。継続できる方法で、口腔内の汚れを落としてあげてください。
猫と暮らすということは、幼い子どもが家にいることと同じです。強い好奇心が仇となって怪我をしないように、危険なものは遠ざける習慣を作ることも心がけましょう。