猫の危険な『おしっこトラブル』4つ!初期症状や原因・予防策を徹底解説

猫の危険な『おしっこトラブル』4つ!初期症状や原因・予防策を徹底解説

泌尿器と呼ばれる腎臓・尿管・膀胱・尿道で起きる猫のおしっこトラブルは、どれも症状がよく似ています。原因として考えられるものには結石や細菌感染などがあり、症状が現われたときにはすでに病気が進行しているのも特徴です。ここでは発見したらすぐ病院へ連れて行くべき症状とその予防法についてご紹介します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.トイレに行く回数が増える

たくさんのトイレと上を歩く猫
  • 尿結石、尿結晶(ストルバイトやシュウ酸カルシウムなど)
  • 細菌性の炎症(膀胱炎)
  • 腫瘍(まれ)
  • 特発性(原因不明)

石や炎症が尿意を誘い、トイレに行く回数が異常に増える症状です。

猫の場合は細菌感染や結石が関係しない「特発性膀胱炎」も一般的です。

2.排泄時に鳴く/粗相する

緑色のトイレのサバトラ

結石や炎症のせいで痛がって鳴いたり、いつものトイレであまりにもおしっこが出ないので他の場所で試してみたりするケース。トイレ回数増加が一歩進んだ状態だといえるでしょう。

3.おしっこの異常(血尿や結晶が混じる)

茶色の猫砂とキジトラ猫の前足

粘膜に傷がつくと、血尿や血液交じりの粘膜が出ることがあります。赤い色に心底慌ててしまいますが、落ち着いて病院へ連れて行きましょう。

逆に尿結石は1.2.の症状が出る前に、キラキラした結晶(ストルバイト結晶)や茶色の石(シュウ酸カルシウム結晶)が猫砂に混じることがあります。

分かりにくいのですが、この段階で気が付くことができればベストです。

4.おしっこの量が減る/増える

診察を受けるアメショ
  • <減る場合>尿結石/腎不全
  • <増える場合>腎不全

1番怖いのは炎症による腫れや石のつまりで道がふさがれ、尿が溜まっているのに出せない場合や、急性腎不全で元気・食欲などの一般状態まで悪くなっている場合です。

命に関わる緊急事態ですので、一刻も早く病院へ。

逆に慢性腎不全は尿量が徐々に増えていくのが特徴で、同時に水を飲む量も増えていきます。

変化が微妙でなかなかすぐには気が付きませんが、治療開始の合図の1つです。

厄介なのは腎臓と膀胱の間にある尿管に結石が詰まった場合。片方だけの詰まりでは気付けるほどの尿量の変化がなく、元気が無くなったり吐いたりといった、他の病気との区別がつきづらい症状のみを起こすこともあります

泌尿器系の病気を予防するには?

蛇口の水を舐める長毛猫

水の摂取量を増やす

ウエットフードの割合を増やしましょう。ミルクやスープで増量するのもおすすめです。

さらに水飲み容器をいろいろ試し、置き場も増やして好みの場所を見つけましょう。

トイレを我慢させない

トイレの汚れはおしっこ我慢の原因です。トイレはこまめに掃除し、また猫の頭数+1個以上のトイレを置いて我慢させないようにしておきます。

さらに高齢猫や体調不良の猫の場合、寒い室内や遠くのトイレが我慢の要因になることが。室温やトイレ置き場を再検討してみましょう。

ストレスをかけない

頭を撫でられご満悦名三毛猫

「特発性膀胱炎」は原因不明の膀胱炎で、ストレスが引き金になるともいわれています。

暑さ寒さや来客などのストレスは決して悪いばかりではありませんが、かけ過ぎは厳禁です。

長時間快適に過ごせる隠れ家を準備して、いざというときそこで過ごせるようにしておくといいでしょう。

まとめ

トイレで振り返る子猫

泌尿器系の病気は猫のアキレス腱で、一生用心し続けなければなりません。しかし水分補給などの予防である程度は防げます。

こじらせれば命に関わるものばかりですから、できるだけ早く予兆に気がつき、一時的な膀胱炎など治せるものはきっちり治してしまいましょう。

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