猫が『ずっと体を舐める』時の原因3つと対処法

猫が『ずっと体を舐める』時の原因3つと対処法

猫は起きている時間の大半を毛繕いに費やすと言われるほど、毛づくろいをおこないます。猫のオーナーさんには見慣れた光景かもしれません。しかし、あまりにも体を舐め続けている時は、注意が必要です。それでは、この行動にはどのような理由が隠されているのでしょうか?対処法も交えてご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.ストレス

前足を舐める猫

猫が体を舐めて毛繕いするのは、体を清潔に保つためだけではありません。

ストレスを感じたときにも、気持ちを落ち着けるために毛繕いをします。

もし、一時的ではなく、ずっと体を舐めている場合は、大きなストレスを抱えている可能性もあります。

猫がストレスを感じる原因は次のようなものが挙げられます。

  • 環境の変化
  • 来客
  • 家族構成の変化
  • 騒音
  • 運動不足

引っ越しや、赤ちゃんが産まれた、他に猫を飼い始めたなどの環境や家族構成の変化も原因の1つです。

また、来客や近所の工事の音なども、止むを得ない事情も猫にはストレスになります。

対処法は?

ストレスの原因を探り、取り除いてあげることが大切です。

まずは猫が落ち着いて過ごせるよう、静かで安全な場所を確保してあげましょう。

ストレスを感じても避難できる場所が猫には必要なのです。

また、運動不足もストレスの原因になります。

上下運動ができるキャットタワーを設置したり、オモチャで遊んであげるのもストレス解消に有効です。

2.ノミ・ダニなどの寄生虫

毛繕いする猫

ノミが猫の血を吸うと、猫の体にノミの唾液が入り、アレルギー反応が起こります。

ノミは湿度75~85%の場所を好み、繁殖力が非常に強いのが特徴です。

痒みを伴うため、気になって何度も執拗に舐めてしまうのです。

同じくダニも猫の体に寄生します。

猫に寄生する主なダニはマダニやヒゼンダニで、激しい痒みや皮膚炎を起こすため、体をずっと舐めてしまうのです。

対処法は?

痒がっている様子が見られたら、寄生虫が棲みついている可能性があります。

まずは病院で検査を受け、駆除薬で駆除するなど適切な処置が必要です。

3.細菌や真菌による感染症

毛繕いする猫

猫の皮膚や被毛に細菌や真菌が繁殖し、痒みやフケが見られることがあります。

これらが直接的な原因になることもあれば、二次的に細菌などが感染を起こして皮膚炎やかゆみが引き起こされることも多くあります。

中でも「糸状菌症」は顔や足に発症し、脱毛してしまうこともあるため、注意が必要です。

寄生虫と同じく、痒みを伴うため、舐め続けてしまうのです。

人間にも感染する可能性がある危険な感染症の1つです。

対処法は?

猫の舌はいくつもの突起があり、その舌で舐め続けることで症状が悪化してしまうことがあります。

痒がる様子や脱毛が見られたら、病院で検査を受けましょう。

完治するまでは、エリザベスカラーを付け猫が舐められないようにするのが有効です。

まとめ

毛繕いする猫

いかがでしたか?

猫がずっと体を舐めている時は、単なる毛繕いだとは思わずに、何か原因があると考えましょう。

猫は言葉で訴えることはできません。飼い主さんが猫の些細な変化にも気づいてあげられるよう、日頃からよく観察してあげましょう。

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