猫に『ワクチン接種』はなぜ必要?その理由や種類・防げる病気、受け方を解説

猫に『ワクチン接種』はなぜ必要?その理由や種類・防げる病気、受け方を解説

病気の予防に役立つワクチン。インフルエンザのワクチンや、コロナウイルスのワクチンなど人間向けのワクチンもたくさんありますが、実は猫向けのワクチンもたくさんあります。本記事ではそんな猫用のワクチンの重要性や種類、ワクチンの接種方法などについて解説してまいります。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

猫のワクチンはどんな種類がある?

猫と白衣の獣医

「猫用のワクチン」ときいて、皆さんはどんなものを思い浮かべますか?

猫のワクチンにはさまざまな種類がありますが、主に以下の2種類が挙げられます。

  • 3種混合(猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症)のワクチン
  • 5種混合(3種混合+猫白血病ウイルス感染症、猫クラミジア感染症)のワクチン

完全室内飼いをしている場合は、外の物に触れる機会も少ないため、ウイルスに感染するリスクは比較的低いです。

それでも入院やホテル、脱走、突然の保護猫、網戸越しに野良猫と対面などウイルス感染する可能性は十分あるため、特に感染率の高い「猫ウイルス性鼻気管炎」、「猫カリシウイルス感染症」、「猫汎白血球減少症」に対応している3種混合ワクチンは受けておいたほうが良いでしょう。

また、愛猫を外に出す機会があるのであれば、できるだけ猫白血病ウイルスを予防できる5種混合(または4種混合)のワクチンを受けておいたほうが、致死的な病気の感染リスクを下げることができます。

猫のワクチン接種はなぜ必要なの?

横たわる猫

そもそも「なぜ猫にワクチン接種させなきゃいけないの?」と思う方も多いかもしれません。

病院嫌いな猫は多いですから、ワクチン接種のために病院に無理やり連れていって、猫にストレスをかけるのは良くないのでは?と思う人もいるかもしれませんが、何か特別な理由がないのであればワクチン接種はしておくことをおすすめします。

例え室内飼いをしていたとしても、窓越しや玄関越し、飼い主さんが外から持ってきた物などを通してウイルスを体内に取り込んでしまう危険性は十分あります。

「猫ウイルス性鼻気管炎」、「猫カリシウイルス感染症」に関しては空気感染する病気ですし、「猫汎白血球減少症」は環境中で長く生き延びることが可能な上、致死率も高い病原体なので、少なくとも3種混合のワクチンは受けておくべきといえるでしょう。

猫のワクチン接種の方法について

注射器を持つ獣医と猫

ワクチンの重要性についてはお分かりいただけたかと思いますが「じゃあ実際どこでどのようにワクチン接種をしてもらえるのだろうか?」といった疑問をお持ちの方もいることでしょう。

猫用のワクチンを接種したい場合は、かかりつけの動物病院でまず相談をするのがおすすめです。猫の体調や年齢、以前ワクチン接種をした時期などによって、ワクチンを打った方がよいタイミングは変わってきます。

獣医さんと相談をし、今ワクチンを受けたほうがよいと判断された場合は、接種日に備えて体調を整えておきましょう。

ワクチン接種の際は小さめの注射器を使って、背中かお腹か足のあたりに注射を打つことが多いです。

また、接種後は副作用などで熱や下痢、嘔吐、蕁麻疹といった症状が出て、体調が悪化することもあります。多くの場合は、一時的に悪化してその後回復するケースがほとんどです。

ただし、たまにアナフィラキシーショックといった命の危険に関わる状態に陥ることもあるため、接種後すぐにぐったりしたり、呼吸困難や嘔吐などの異変が見られた場合は、早急に獣医師さんに連絡をし、病院に再度戻ることを強くおすすめいたします。

まとめ

注射器と猫

ワクチン接種をしておけば、万が一ウイルスが体内に入ったとしても、病気を未然に防いだり、軽症で済む確率が高くなります。

ワクチンにアレルギーを持っていたり具合が悪くなりやすい場合は接種を控えるケースもありますが、飼い主さんや愛猫が安心して生活を送るためにも、ワクチン接種は前向きに検討すべきといえるでしょう。

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