年齢別猫の3大死因
猫には、各年齢において気をつけなければならない病気があります。今回は中でも危険な「3大死因」を紹介いたします。
子猫:0歳
生後6ヶ月未満の子猫は、些細なことが命取りに繋がる恐れがあります。
亡くなる原因として多いものは以下の通りです。
- 感染症
- 脱水による衰弱
- 異物誤飲
感染症の中で最も恐ろしいのは、「猫伝染性腹膜炎(FIP)」です。日本では認可されている治療薬がなく、致死率の高い病です。
授乳中の子猫では、十分な量のミルクが飲めなくなると簡単に脱水を起こしてしまいます。食欲不振の背景には、いわゆる猫風邪が潜んでいる可能性も考えられます。
子猫は風邪でも重症化するリスクがあるため、異変に気づいたらすぐに診察を受けてください。そして、ヤンチャなお年頃でもあることから誤飲にも気をつけましょう。
成猫:1歳〜6歳
おとなの猫は、どのような病気が命を脅かすのでしょうか?
- 泌尿器疾患
- 消化器疾患
- 感染症
猫は砂漠で生き延びるために、あまり水を飲まなくても排尿できる体を持っています。この猫の特徴が腎臓に負荷をかけ、死因の1位である「腎臓病(泌尿器疾患)」を引き起こします。
最近の研究ではゴミを掃除する働きをするAIMというタンパク質を猫は持っていないということが腎不全の原因になるのではないかといわれています。これは研究段階ですが、今後に期待したいものです。
また、猫はデリケートでストレスを受けやすい動物です。些細な環境の変化などが原因で胃腸炎を患いやすく、早期発見と早期治療が重要になります。
子猫時代と同様に、感染症にも引き続き注意が必要です。季節の変わり目には風邪を引きやすく、過去に引いた猫風邪の再発も起こり得ます。くしゃみや鼻水が続くと思ったら、早めに診察を受けましょう。
高齢猫:7歳以降
高齢期の猫も、子猫のように細やかな配慮が必要です。要注意な疾患は以下の通りです。
- 泌尿器疾患
- 悪性腫瘍
- 心疾患
高齢になると、体の細胞や臓器が徐々に悲鳴をあげ始めます。3番目の心疾患は、まさに心臓の衰え(心筋の変性)が招く「心筋症」が代表的です。
泌尿器疾患の中でも特に多い「腎臓病」は、6歳を過ぎたあたりから多くなります。これも腎臓の酷使が背景にあります。
また、「悪性腫瘍」ができることもあります。ただし、メス猫の乳腺腫瘍に関しては避妊手術によって予防することができます。
3大死因から守る方法はあるの?
大切な愛猫を3大死因では失いたくないですよね。ここからは、家族に迎えた日からできる対策について紹介いたします。
1.水分を積極的に取ろう
猫に多い泌尿器疾患は腎臓病だけではありません。「膀胱炎」や「尿路結石」など、治療が遅れたら死に至る可能性のある病が他にもあるのです。
これらから愛猫を守る手段として、水を飲んでもらう工夫が重要です。いつでも新鮮な水を飲める環境を整えてあげてください。
さらにウエットフードを上手く活用することで、食事からも水分を補うことができます。
2.ストレスを与えない
猫はとても繊細な動物です。愛猫が嫌がることは控え、ストレスを与えないように気をつけましょう。
3.猫らしい暮らし
室内飼育の範囲内で、猫らしい生活を尊重してあげることもストレス軽減につながります。
次のようなポイントを意識しましょう。
- 睡眠の邪魔をしない
- 思う存分爪とぎができる場所を用意する
- 1日に数分程度は遊びに付き合う
- トイレを清潔に保つなど
猫の習性は取り除くことができません。だから、受け入れやすい形で認めてあげることが大切なのです。
4.子猫や高齢猫は早めの受診を
子猫や高齢の猫は、些細な不調が命を脅かします。異変に気づいたら、早めに診察を受けてください。
5.たくさん話しかけてあげる
猫は意外と嫉妬深い動物です。自分に関心がないと思い込んでしまうと、イタズラをしたり体調を崩すことがあります。
日頃からよく話しかけてあげてください。声をかけることで、忙しくても繋がっていることが伝わりやすくなります。
まとめ
各年齢ごとに注意してほしい病気と、その対処法について紹介させていただきました。
腎臓病や感染症は、年齢を問わず意識してほしい病気です。
幼い頃から水を飲む習慣をつけて予防に努めましょう。感染症は、ワクチン接種や室内環境を整えることで予防することができます。
抵抗力の弱い子猫や高齢猫の場合は、小さな異変でも大事に至る可能性が高くなります。すぐに対応してくれる病院をリストアップしておくと便利です。