知らないと怖い!猫の寿命を縮める『悪質なウイルス』6つと予防策

知らないと怖い!猫の寿命を縮める『悪質なウイルス』6つと予防策

約1億6000万年前、哺乳類の祖先にウイルスが感染し、胎盤ができました。胎盤ができたために、胎児の生存率は大幅に高まりました。このように、ウイルスと哺乳類の関係は悪いことばかりではありません。それでもやはり、重篤化により寿命を縮める感染症は脅威です。今回は、猫の寿命を縮めるやっかいなウイルスをご紹介します。

660view

SupervisorImage

記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫のウイルス性伝染病

1.猫ウイルス性鼻気管炎

鼻水を出す猫

原因となるウイルスは「猫ヘルペスウイルス」です。発症した猫と直接接触することで感染します。

「猫カゼ」とも言われている通り、鼻水や目やにといったカゼのような症状を呈します。

進行すると、元気や食欲がなくなったり、「結膜炎」を起こすこともあります。

ただのカゼだと思って放置してしまうと、症状が進行し肺炎を起こして死亡することもありますので、油断は大敵です。

また、妊娠中の猫が感染すると、流産をすることもあります。

2.猫カリシウイルス感染症

原因となるウイルスは猫カリシウイルスで、発症した猫と接触することで感染します。このウイルスは感染力が高いのが特徴です。

症状は猫ウイルス性鼻気管炎とよく似ています。症状が進行すると、舌、口周りに潰瘍ができるのが特徴です。

また、肺炎を併発して死に至ることもありますので、やはり注意が必要です。

3.猫汎白血球減少症

寝床で寝ている猫

原因となるウイルスは「猫パルボウイルス」です。発症した猫の糞便が感染源となります。また、食器や人が媒介することもあります。

高熱、嘔吐、下痢や脱水といった症状が見られ、白血球が極端に減少するのが特徴です。

体力のない子猫は、あっという間に命を落とすこともある怖い病気です。

4.猫白血病ウイルス感染症(FeLV)、5,猫後天性免疫不全症(FIV)

原因となるウイルスは、前者が「猫白血病ウイルス」、後者が「猫免疫不全ウイルス」です。前者は感染した猫との接触や母子感染、後者は感染した猫に噛まれることで感染します。

これらの病気は免疫力を低下させるため、軽い病気に罹ってもなかなか治らず、それが原因で死に至ることもあります。

また、白血病、重度の貧血など血液の病気や、がんの発生を引き起こすこともあります。

6.猫伝染性腹膜炎(FIP)

診察を受ける猫

原因となるウイルスは、「猫腸コロナウイルス」です。日本にいる猫の多くがこのウイルスを持っており、軽い下痢を起こす程度の病原性の低いウイルスです。

しかし、このウイルスが猫の体内でFIPウイルスという強毒性のウイルスに変異することで、猫伝染性腹膜炎が発症します。

胸水、腹水等が貯留するウェットタイプ、各種臓器に肉芽腫を作り神経症状を生じさせることもあるドライタイプの2つのタイプがありますが、いずれも致死率はほぼ100%と言われています。

特にウェットタイプは進行が速く、数日〜数週間で亡くなってしまうことも少なくありません。

予防策

ワクチンがある感染症

子猫のワクチン接種

感染症の予防策としてよく耳にするのがワクチン接種だと思います。猫にもウイルス感染症予防のためのワクチンがあり、混合ワクチンという形で定期的な接種が推奨されています。

今回ご紹介した感染症の内、ワクチンで予防ができるのは下記になります。

  • 猫ウイルス性鼻気管炎
  • 猫カリシウイルス感染症
  • 猫汎白血球減少症
  • 猫白血病ウイルス感染症
  • 猫後天性免疫不全症

お住いの地域や飼育環境によってもそれぞれの感染リスクは異なります。かかりつけの獣医師とよく相談し、適切なワクチンを適切なタイミングで受けるように心掛けてください。

ワクチンがない感染症

キャットタワーで遊ぶ猫

下記の感染症は、予防できるワクチンがありません。

  • 猫伝染性腹膜炎

感染している他の猫との接触を避けることと、ウイルスを強毒化させないことが予防策になります。

具体的には、外に出さないこと、そして外に出てしまうきっかけとなりやすい発情を防ぐために不妊・去勢手術を行うことです。

そして最も重要なのが、ストレスを無くすことです。弱毒性の猫腸コロナウイルスが強毒性のFIPウイルスに変異する原因として、ストレスが大きく関わっていると考えられているからです。

特にストレスの多い多頭飼いの場合は、他の猫との関係性も含めた生活環境を考慮する必要があります。

まとめ

猫とワクチン

今回は、愛猫の命を簡単に奪ってしまうことのある恐ろしいウイルス感染症についてご紹介しました。

ワクチンが開発されている感染症に関してはかかりつけの獣医師と相談し、ぜひ適切なワクチン接種による感染予防を行ってください。

また、ワクチンのない感染症に対しては、「他の猫との接触を避ける」「ストレスを与えない」といった予防策を日頃から心がけるようにしましょう。

愛猫の健康を維持することで、高い免疫力を維持することも大切です。

スポンサーリンク