ペット保険ってどうなの?
獣医療費は、思いの外高額です。動物には国民健康保険のような制度がなく、かかった医療費が全額負担になるからです。
負担額がネックとなり、愛猫の様子がいつもと違ってもなかなか動物病院に連れて行けないという飼い主さんも多いと思われます。
この問題に対する解決策の一つが、「ペット保険」です。
飼い主さんが毎月または年間一括で保険料を支払うことで、契約対象となるペットが病気やケガでかかった医療費の一部を補償してもらえるというものです。
ペット保険の国内での普及率は、2016年の約6.7%から2018年の約9%へと、着実に増えています。ペット保険は高額な獣医療費の負担軽減に貢献していると考えても良さそうです。
今回は、猫の飼い主さんの立場に立って、ペット保険のメリットやデメリットなどをご紹介します。
ペット保険のデメリット
まずは、ペット保険に関してデメリットだといわれている点をご紹介します。
掛け捨て型である
人間の生命保険には、満期保険金や解約返戻金を受け取れるような貯蓄型の保険があります。
しかし、ペット保険はほとんどが掛け捨て型で、貯蓄の要素がありません。そのため加入に躊躇している飼い主さんもおられるようです。
健康な子ほどメリットを感じない
ペット保険は、愛猫が病気やケガをした場合への備えが主目的です。そのため愛猫が病気もケガもしなかった場合は、保険料を支払うだけでメリットを感じられません。
支払った保険料が無駄だと感じ、やめてしまう飼い主さんもおられるようです。
ペット保険のメリット
続いて、ペット保険に関してメリットだといわれている点をご紹介します。
経済的負担が軽減される
前述の通り、愛猫の医療費は全額負担のため、人間と比べて高額です。しかも動物病院は自由診療のため、病院によって料金体系もまちまちです。獣医療費は高額な上に予測しづらいと感じている飼い主さんが多いのが現実です。
しかしペット保険に加入することで、獣医療費に関する経済的な負担を軽減させることができます。加入した保険のプランによりますが、飼い主さんの負担割合を50%や30%に軽減できるのです。
動物病院に連れて行きやすくなる
医療費に対する負担が軽減できると、愛猫を動物病院に連れて行きやすくなります。いつもとちょっと様子が違うといった場合でも、躊躇せずにすぐに診てもらうことで、病気の早期発見や早期治療に繋がります。
愛猫の治療法に関する選択肢が広がる
獣医療は日進月歩で発展し、今まで難治だった病気の治療法が発見され、愛猫への負担を軽くできるような治療法が編み出されています。
ペット保険に加入することで、そういった高額な治療方法も愛猫への治療法として選択しやすくなります。
ペット保険の注意点
子猫時代は誤飲、成猫期は下部尿路疾患や骨折、中年期は糖尿病や腫瘍、老年期は慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症と、猫にはそれぞれの世代毎に罹りやすい病気があるため、若い頃からペット保険に加入しておく方が安心だといえるでしょう。
最後に、ペット保険の注意点です。
補償の範囲
ペット保険は病気やケガの「治療」が対象です。不妊・去勢手術、ワクチン接種、健康診断や爪切り、耳掃除等の費用は補償の対象外となっている場合がほとんどです。
加入する年齢
加入には、年齢制限や制約(既に特定の病気に罹っている等)がある場合が多く、加入したいと思った時には手遅れだったということもあり得ます。
愛猫がとても健康なため加入をとどまっておられる場合、保険に加入する最後のチャンスが6歳だと考えるとよいかもしれません。猫は7歳を過ぎると、病気の発症率が急増する傾向にあるからです。
まとめ
愛猫とどのように暮らしていきたいのかを基準に、ペット保険への加入の是非を検討してください。もしも、できるだけ手を尽くして高度な医療でも受けさせたいと考えておられるのであれば、ペット保険は加入しておいた方が安心です。
ただし、多頭飼いをされている場合などは保険料だけでもばかにならないと思います。
愛猫の健康状態もよく考慮した上で、個々の猫毎に加入のタイミングや保険のプランを検討されると良いかもしれません。